他人の代表ブログ
あなたがここに来るのは1回目ね
戻る│   20805 今日1 昨日20





■過去日記
2017年8月
2017年6月
2017年5月
2017年3月
2017年2月






他人の代表 SFチック学園ラブコメディ


他人の代表 ファンタジーコメディ


オリジナル小説をブログ公開(一部課金)


道化童子のツィート  DKDZをフォローしましょう


#taninblogタグ

ブログに関するリアクションに関するツィートはハッシュタグ#taninblog
イベント、発行誌など、他人の代表に関する全般のツィートは、ハッシュタグ#dkdztaninを付けてください。


前>>>


2017年8月17日の日記 
一年と101。 [小説]
 さて、一年経ちました。
 赤いモバイルパソコンを購入してからちょうど一年です。
 そして、SIM入りタブレットを購入してからも一年です。
 えー、パソコンやタブレットを買うと色々なものが特典として一年無料で使用できるものが付いてきます。
 まあ、私の使わないものもついてくるのですが、とりあえず、私の使うのについて来たのが、Office365の一年分と、GoogleDrive100GB一年分でした。
 Officeは元々カード引き落としだったので、そのまま自動的に引き落としに戻るようです。
 が、GoogleDriveは元々無料で使えて色々無料追加されて17GBを使っていたのですが。
 この一年、117GBになっていましたが、今の使用量13GBなんですよね。
 GoogleDriveは主に創作データが入っていますが、毎日ONE DRIVEに自動でバックアップされています。
 ですから、全データは入っておらず、比較的新しいのしかなく、それも調整可能なので、このまま課金せずに行くかもしれません。
 が、私はシステムを常用するのに課金しない、ということはまずありえないのです。
 無課金の人がいるのは一向に構わないのですが、システムというのは金を持っている人間が、多少のアドバンテージとともに課金するから、誰もがシステムを利用することが出来るのです。
 私は今多少金があるので、課金側に回っておきたいのです。
 将来私に金がなくなったら今度は無課金に回りたいので。
 ですからDriveの方は検討中です。


 さて、今は101を書いています。
 今度のは一年半ぶりに異世界転生ものにしました。
 そろそろ流行も終わりなので、最後にネタを消費したいと思いまして。
 主人公は31歳のSEです。こっちの世界では。


「あ、起きたわね?」
「……?」
 目を開くと、目の前に俺をのぞき込む赤い瞳があった。
「あ、れ……?」
 赤い目?
 俺が見返すと、顔が近いことに照れたのか、離す。
 赤毛ツインテールの赤目、肌の色は白人のそれのように白い。
 外国人、だよな?
 赤いTシャツかタンクトップの上にオレンジの上着を着て、下がピンクのミニスカート。
 暖色系がラッキーカラーの子なのかな?
「ウェンー、こいつ起きたぞ?」
 女の子は奥の誰かを呼ぶ。
 ……ん?
 外国人っぽい子が話す、日本語じゃない言葉。
 うん、その言葉は確かに日本語じゃない。
 ないんだけど、何故だか俺はそれを理解出来た。
「あら、ちょっと待っててね?」
「はやくー!」
 言ってる意味は理解出来る。
 だけど、これが日本語でないことは分かる。
「あれ……俺、どうしたんだっけ……ええっ!?」
 俺は一人つぶやいたのだが、俺自身がその、どこの言葉かも知らない言葉が口から出て来ていた。
「あれ? これはどういうことだ……?」
 俺の知っているのは日本語と英語だけだ。
 英語も話し相手が広州や大連のエンジニアだから、ネイティブのそれとはかけ離れている。
 俺はいつの間に第三の言語を話せるようになったのだろうか?
「ちょ、ちょっと……?」
 目の前の女の子が少し心配そうに、だが遠慮がちに声をかけて来る。
 女の子は見る限り十代の後半に見えるし、俺みたいなおっさんに声をかけるのが怖いってのはまあ、なんとなく分かる。
 俺みたいな若い頃はそれなりに格好良かった奴でも三十代になれば見た目も老いて来るし、それが周囲には貫禄として映る。
 貫禄ってのは、同時に若い子は話しかけづらくなるわけで、この子がそうなるのもまあ、仕方がない。
「ここは、どこだ?」
 俺が目の前の女の子に聞いたら、慌てて目をずらして戸惑う。
「ここは私たちのシェアハウスよ? あんた、そこの川岸に倒れてたから連れて来たのよ」
「そうか……」
 いや、待て。
 ちょっと待て。
 納得しかけたが、そもそも俺、川岸なんて行ってないし、だから、そこに倒れていたなんてありえないんだけど。
「えーっと……」
「大丈夫? どこも打ってない?」
 その子に何か話をしようとしていたら、脇から別の女の子が出て来た。
「いや……多分大丈夫、だけど……」
「さっきも確認してみたけど、一応もう一度確認するわね?」
「え……?」
 そう言うと、その女の子は、俺に抱きついて来て、顔を俺の胸に埋める。
「ちょ、ちょっと!?」
 俺の目の前に、水色のストレートロングが揺れる。
 いい、匂いだなあ、と思った瞬間、え? 水色? と、もう一度見返す。
 確かに染めている様子はなく、毛根から水色の髪が目の前にある。
 これは一体、どういうことだ?
 その疑問を思った瞬間、俺の胸から女の子が離れる。
「特に問題はないようね。ただ、脳波に少し不思議な動きがみられるけど、あまり関係なさそうだわ」
「じゃ、問題ないのか、よかった」
 ほっとするような赤毛の子。
「あの、ここはどこで、あんたたちは誰だ? いや、助けてもらって悪いけど、どうしても確認したくてさ」
 俺の問いに、二人が一度驚いて、顔を見合わせる。
「だから、私たちのシェアハウスって言ったわよね?」
 少し怒り気味に赤毛が言う。
「フレちゃん、そういう意味ではないと思うわ。ここはステリエ王国首都、アルメル魔法学校のそばの一軒家よ。私はウェンリーで、この子がフレイズ。少し前まで魔法学園の学生だったのよ」
「なるほど、分からん」
 なんだかメッセージウインドウなしにチュートリアルの説明を聞いているような気分だ。
「という事は、遠くから来たのね? どこ国かしら?」
「……えー……」
 出て来ない。
 いや、俺の住んでいた国は日本で、住所も最寄り駅も全て覚えているのだが、言葉にしようとすると、何も出て来ない。
 今、話しているこの言葉にはないからだろうか。
「? どこから来たのよ?」
 赤毛の子、フレイズだっけ、が、いらいらするように促す。
「……遠くから?」
 俺は、取りえず出てくる言葉で表現できそうなのを選んだ。
「何よそれ! 私たちには言えないっていうの!?」
 フレイズがキレるように怒る。
 胸倉を掴む勢いで顔を寄せて来るので、俺は少しひっこめる。
 いや、三十過ぎのおっさんとして、若い女の子が顔を近づけて来たら臭いとかキモイとか言われる気がて怯むんだよ!
「言わないんじゃなくて、言えないんだよ! 何だかよく分からないけど、言おうとしても出て来ないんだよ!」
「そう……それは、呪いをかけられている可能性があるわね。もう一度、いいかしら?」
 そう言って、ウェンリーと名乗った女の子が、再び俺の胸に顔を埋める。
「…………」
 俺は無心になろうとしているが、なかなか難しい。
 目の前の若い女の子の頭があると、なかなか冷静になれない。
 落ち着こうと深呼吸でもしようものなら、思いっきり周囲に漂っている匂いを吸収してしてしまうかも知れない。
 なんてことを考えていたら、フレイズと目が合った。
「なあ、ウェン、こいついやらしい事考えてるぞ?」
「か、考えてねえよ!」
 いやらしくはない。
 いやらしくはない!
 俺は十分抗っていた、これは不可抗力だ。
「え? いやらしいってどういう事かしら?」
「その……色々だよ!」
 ウェンリーに真正面から問われて、答えに躊躇って口ごもる乙女(フレイズ)。
 いいと思います。
「ほら! 今も微笑んでるし!」
「微笑むくらい誰でもするだろ! 俺だってもうこの歳だ、お前らガキに変な気持ちになることはないんだよ!」
 そんなことはない。
 三十過ぎたおっさんの俺だけど、いまだにJKに寄って来られると興奮するし、だからそれを隠すために拒絶してる。
「ガキってあんたも大して年齢変わらないでしょうが! 遠くに来たからって自分だけ大人のつもりなの!?」
 フレイズの怒鳴りの意味が、最初は分からなかった。
「そうりゃそう……え?」
 だから、言い返そうとして、言葉を止めた。
「あんたの顔、私たちと同じくらいにしか見えないんだけど! 上って言っても一、二年でしょうが! その程度でいちいち威張るなって言ってんのよ!」
 言い返す、フレイズ。
 え? この子、何言ってるの?
「あの、悪いけど、鏡あるかな?」
「鏡? ええ、水魔法鏡でよければ」
「よく分からないけど、それでいい」
 ウェンリーから手鏡のようなものを受け取る。
 そこに映っているのは、俺だった。
 ただ、俺の知っている俺とは少し違う。
 確かにフレイズの言う通り、十八歳くらいの俺が、そこに映っていた。



最終更新 2017/08/17 0:19:37



トラックバック: http://d-maki.jp/tback/tback.php/2017/08/17



■広告



2017年6月25日の日記 
鍋と100。 [小説]
 三月ごろにそろそろ鍋をやめるとか言ってましたが、まだ鍋が続いています。
 あれ、楽なんですよ、食材切って鍋に入れておけばいいだけなので。
 飽きないように色々と食材も変えられますし。
 鍋汁は減りましたけど、定番はなくなりませんからね。

 さて、今は100を書いています。
 まあ、キャラが乗ってないんですよね。
 後で大幅に書き直すかもしれません。

「確かに賑わってるなあ。あの頃よりも」
 ダンジョンを抜けだし、秘密の通路から街に来た俺は、その賑わいに驚く。
 俺の曖昧な記憶では、もっとこう、牧歌的な街だったように思う。
 今では別に市場というわけではないのに、そこかしこから商品の魅力を叫ぶ声が聴こえてくる。
 それを見ながら、時には立ち止まりながら、歩いて行く大勢の人々。
 まるで城下町のような賑わいだな。
 それに、やっぱりこの街は若者が多い。
 中には結構強そうな武装をしている奴らも混じっている。
 あいつらがダンジョンに臨む奴だろうな。
 強そうに見えるし、実際強いんだろう。
 あいつらの中に、ナタまでたどり着く奴が何人いるだろうか?
 楽しみだ。
 俺をわくわくさせるような、強い奴らは、この百年で生まれただろうか?
 それとも、一切変わっていないのだろうか?
 ま、そうそう変わるもんでもないだろうけどな。
 などと考え事をしているうちに、思わず小さな通りに入ってしまった。
 ま、迷うのもいいさ。
 そんなに広い街でもないからな。
 奥に歩いて行くと、さっきまであれほど人が溢れかえっていた割に、ここにはほとんど人がいない。
 建物もあるのだが、古びていて人が住んでいるのかどうかも分からない。
 いや、住んではいるようだ。
 気配のようなものはある。
 だが、誰も出て来ない。
「よう、そこの奴」
 声が響く。
 振り返ると男が三人ほどで立っていた。
「俺か?」
「そう、お前だ。ここらがうちの縄張り(シマ)ってのは分かってんだろうな?」
「ああ、そうだったのか?」
 人間というのは、人間という種類の中で更に種類を分け、それぞれが縄張りを持ち、他人の縄張りを奪ったり奪われたりする習性があったな。
 それの事かな?
 けど、あれはもっと大きな、王国と呼ばれる単位でやっていた気がするが、俺がいない百年の間に、それが細分化されたって事だろうな。
「知らなかった。悪かったな? それで、確か、国境、だったっけ? それを越えるには何をすればよかったんだ?」
「国境? てめえ、何言ってんだ?」
 三人が笑う。
 あー、これ、いい笑い方じゃねえな。
 俺を嘲笑するような笑い方だ。
 いやでも、しょうがないだろ? 俺もさっき目を覚ましたばかりなんだからよ。
「悪いな、ちょっと事情に詳しくなくてさ、で、俺はどうすればいいんだ?」
「そうだな、ま、金を置いて行ってもらおうか、通行料ってやつだ」
 通行料か、そりゃ面倒な世の中になったもんだな。
「あー、悪い、金持って出て来るの忘れた」
 ナタと俺の部屋には結構な財宝があって、ま、一応は俺たちを倒した奴らの報酬ってこと人なるんだが、俺が街に出る時は、それを少しだけ持ってきて、街で換金していた。
 けど、今日はそんな事忘れてたし、今のこの身体でナタの隙をつくのは結構難しいので、何も持たずに出て来た。
 つまりは文無しだ。
「だったら、てめえの家に取りに行けよ、俺らもついて行ってやるからよ」
「ついでに家の場所覚えて、これから何度も訪ねてやるよ、金がなくなったらな」
「いやあ、家に帰るのは、今は無理だな。ちょっと怒ってる奴がいるだろうからな」
 今帰ると、ナタに怒られて、もうしばらく出してもらえないだろう。
 情けないことだが、今の俺は、あいつより遥かに弱いからな。
 本調子でも無傷で勝てるってほどじゃないと思う。
「おいおい、てめえの事情なんて、こっちは知らねえんだよ。さっさと行くぜ?」
「いや、ちょっと無理だな」
「ざけんなっ!」
 顔面に衝撃。
 バランスを崩し地面に倒れる。
 ああ、俺、殴られたのか。
「こっちが優しくしてるうちに言う事聞いとけよ? てめえの家の全財産奪ってやってもいいんだぜ、こっちはよ!」
「あー、俺、かなり弱くなってんな」
 こいつの殴る拳は見えていたけど、避けられなかった。
「さっさとしろや! もう一発食らいてえのか!?」
「んー、そう言われてもっ……!」
 また殴られた。
 ああ、でも痛みも鈍ってるみたいだな、何も感じない。
 あー、これどうしようかな。
 もしかするとこいつらって──。
「何してるのよ!」
 違う方向からの怒鳴り声。
 それは、勇ましい、女の声。
「何だあいつ?」
「げ、あれ、ザンズス道場の自警修業だぜ?」
 男たちの声に焦りが混じる。
 なんだその、ザンスズ道場って?
「構わねえよ、女一人だ。囲んで痛めて犯しちまえ!」
 三人は女を囲む。
 女は人間の年齢で二十年も生きていないだろう。
 赤毛の長い髪をポニーテールにまとめている。
 こういうタイプを長身スレンダーって言うんだろうな、多分俺よりも結構身長は低いんだが、おそらく鍛え上げられた痩身のおかげで長身に見える。
 動きやすいからか、身体の線が出るような服を着ているので、その身体が鍛え上げられていて、しなやかに動くであろうことが分かる。
 だが、流石に男三人相手では難しい。
 この三人は特に鍛え上げられた様子はないが、六つの手から身を守りながら、攻撃をするは手が足りない。
 もちろん、やり方がないわけじゃない。
 あれだ、あれ……出て来ないけど。
「おらぁぁぁっ!」
 一人のかけ声で、全員が動く。
「やっ!」
 女は十分に引きつけた上で背を下げ、一瞬で囲いを飛び出した。
「ぐぁっ!」
「てめ……!」
「いでぇっ!」
三人はそれぞれぶつかって、頭を打つ。
 頭を抱え、一人がうずくまる。
 だが、こいつらは頭を抱えている暇などない。
 今は戦闘中なのだから。
「やっ!」
「ぐへっ!」
 一人が、女の拳を鳩尾に入れられ、くの時となり、倒れる。
「はっ!」
「あがっ!」
 そして、別の一人が上段蹴りで顔面を蹴り上げられる。
 あー、あれは脳に来たな。
 そのまま足を崩す。
「あんた達も働きなさい! この街は出来る仕事が沢山あるはずよ?」
「くっ……!」
 三人は返事も反論もなしで逃げていく。
 えーっと、これはどういう事だろう?
「なあ」
「大丈夫だった? あいつら、ここら辺で仕事もせずにお金を巻き上げてるから注意して? あなたも腕に自信がないなら、大通りを歩きなさい?」
「いや、腕に自信がないわけじゃないんだけどさ、ちょっと聞いていいか?」
 俺は、どうにも状況が掴めてはいない。
 結局どういうことだろう。
「何よ?」
「さっきの奴らに通行料を求められて、俺、今金を持ってなかったんだけどさ、これって踏み倒したことになるよな?」
「は?」
 女は、俺を馬鹿にするような表情をする。
「いやさ、俺はこの街の最近の事情を知らないんだよ。だから、もし通行料が必要なら悪いことをしたな、と思ってさ」
「通行料なんて必要ないわよ。普通に考えて、こんな裏の道通るのに、どうしてそんなものが必要だと思ったの?」
「そっか、ありがとうな、教えてくれて」
 百年経っても、大して状況は変わっていないようだ。



最終更新 2017/06/25 13:25:55



トラックバック: http://d-maki.jp/tback/tback.php/2017/06/25


2017年5月29日の日記 
必要経費を減らす。 [雑談]
 さて、色々考えて、これまでのサプリとかを一部止めることにしました。
 私のそう言うものを含めた月間の必要経費が結構高いのに気づきまして。
 定期的に購入が必要なものだけで、フェイスオイル、フェイスウォーター、ヘアムース、体臭予防(皮膚)、体臭予防(衣服)、ファブリーズ、口臭予防、リステリン、ハゲ予防、汗拭きペーパータオル、ナイシトール、スタイリー、ヘルシアスパークリング、特茶、Office365月額、アドビ月額、サーバ代。
 後細かい月額アプリ代もありますが省略。
 ちょっと多いので徐々に減らしていこうかなと思い、とりあえず、どこに行っても売ってなくなってて通販で買ってるスタイリーと、一番古くから買っているナイシトールをやめようかと思いました。
 今後も減らすところは減らしていきたいかと思います。

 さて、執筆状況は97がGA投稿済、98も二次推敲(一次推敲で矛盾修正、盛り上げ場面の書き直し、誤字脱字修正などを完了した後、ルビ化したり章体裁を整えて、ワープロソフトの校正ツールでチェックしつつ、文章を一通り読む)をしているところです。
 まあ、まだ間に合うでしょう。
 ところで時々、私の執筆速度が速い、と言われていますが、別にそういうわけでもないのです。
 97は完成まで4か月、98も3か月かかってます。
 ただ、「今、98を書いています」という期間が一月だけなのです。
 通常小説を書く場合、以下のプロセスを踏むと思います(ヴァイブスで書いてるなろうは除く)。

1.ネタを考える、またはネタ帳から厳選する
2.ネタを二、三詰め込んでストーリーライン概要を形成する
3.設定、キャラを作成する
4.ストーリーラインを形成する
5.執筆、一次推敲する
6.二次推敲する、ストーリーラインをもとにあらすじを書く

 この5の時のみ、「書いています」になるわけですが。
 それが何故「書いています」が続いているのかと言いますと、パイプラインで同時並行しているからです。
 私は一日に数時間5に集中する時間を形成し、その時間に集中できる環境を作りました。
 で、そこで集中するために、それ以外の時間にそれ以外を作っているわけです。
 1は常時やっていて、ネタ帳に記載しています。
 2はそろそろ新しいプロットを書こうかなあ、と思った時ネタ帳を見ていくつか選びます。
 ネタ帳には、変わった設定、思いついたキャラの関係、面白いストリーラインなどがかかれていますが、そこから最適なものを混同して一つのネタを形成するわけです。
 大抵は頭の中だけで構成します。
 歩いている時や風呂に入っている時にやります。
 3、4はいわゆるプロットですが、ここが最も時間をかけます。
 しかも途中まで書いて、あ、これつまらないわ、って執筆しないこともあります。
 5はこれに従って書くだけです。
 頭を使うのは、割り振ったページ数から大幅に狂った場合のみです。
 ここが大体一月、というだけです。

 まあ、つまり、98は既に5を超えているわけですが。
 次はなろうを書いています。
 既存連載の書き溜めとともに、新連載分もです
 新作は六月に始められるかと思います。



最終更新 2017/05/29 0:01:43



トラックバック: http://d-maki.jp/tback/tback.php/2017/05/29


2017年3月26日の日記 
3月の労働と97。 [小説]
 さて、11月ごろから書き方を変える勉強を始めて執筆に集中していたので、残業が減り、結果収入が減りました。
 このままではまずいと感じたので、3月は残業をするようにしました。
 その結果、3月は物凄く稼げそうなのでGW前に結構金になりそうですが、若干執筆が遅くなってますね、執筆時間はそこまで変わってはいないと思いますが。

 97は書いていますが、今回は緩く交錯法を使っています。
 まあ、これ、GAに送る予定ですけど。
 私、GAで交錯法だと一次通過すらしたことないんですよね。


 最近非常に疲れるのが早い。
 朝起きるのも一苦労だ。
 元々メイフィは朝が強い方ではないが、最近はそれが更にひどい。
 そして、仕事をしていても、ついぼーっとしてしまう。
 理由は分かっている、まともな食事が出来なくなりつつあるからだ。
 あれから寮について訊いて回って、入寮の手続きまではすぐに出来たのだが、入寮は月単位で行われるため、特別な事情でもない限り、月の途中では入寮出来ないことになっているらしい。
 特別な事情に「入社」というのがあったので、私は入社したばかりです、と主張はしたのだが、入社既に四週間経っていれば、入社直後とは認められないようだ。
 その基準がよく分からない。
 その規則に順守する姿勢は、まるでヴェルム次長のようだ、などと心の中で思った。
 メイフィは窓口課に来てからは、ずっとヴェルムに付いていたが、彼は本当にいかなる時も隙がなく、また、行動にブレもない。
 まるでそうしろと命じられたゴーレムのように、ただルール通りに仕事をするだけだ。
 冗談の一つもない。
 たとえ客先で怒鳴られようとも、怒ることもなければ落ち込むこともない。
 ただ、いつも平坦な感情で、淡々と喋るだけだ。
 だから、そんな彼に泣きつくことも躊躇われる。
 これがシャムレナやリーナなら、食費がないと泣きついたら、おごってくれたり、寮に掛け合って早期に入寮できるよう話を通してくれたり、給料の前借を融通してもらえるよう話してくれるなど、何かしてくれることが期待できるのだが、彼にそんなことを期待するのは無駄な気がする。
 おそらく「給料日が前から分かっているのに、何故計画通り消費をしなかったのだ?」などと言われる気がする。
 あくまで、「気がする」なのだが、それは多分、間違っていない。
 別に彼女だって贅沢をしたわけではない、普通に使っていたら、思ったよりもお金がかかっただけだ。
 だが、他の誰でもなく彼には理解してもらえなそうだと思う。
 何しろ彼はおそらく完全に計画通りにしかお金を使わなそうなのだから。
 窓口課の仕事は、兵装課や諜報課に比べるとかなり楽だ。
 ただ、ヴェルム次長の後について行けばいいだけだ。
 初日には思わず感情を露にしてしまったが、それ以降は特にそんなこともなく。
 とりあえず後ろで笑っていて、話を聞いて勉強していればいいのだなと理解した。
 帰り道に分からなかったところを訊くと、即答してくれるので、これで正しいのだろう。
 ただ、最近は頭の回転も遅くなっており、話の内容すら覚えていないこともある。
 それでも、私生活に関してまで小言を言われるのを避けたいと思い、なるべく空腹であることを隠して元気にふるまっている。
 ただ、窓口課は体力はそこまで減らないが、頭はとてつもなく消費するので、困りごともある。
 イルキラ魔兵商会の融資はあの後すぐに認められ、契約の調印と、担保の受け取りのために再び出向いたときも、道中眠ってしまった。
 到着時にヴェルムに起こして貰ったが「今は仕事中だ。睡眠は仕事外で取れ」と注意された。
 それだけで小言もなく、帰りにはこの前と同じ食堂に連れて行ってくれた。
 もしかすると優しい人なのかもな、と油断してしまった。
 その帰りには満腹感でやはり熟睡してしまい、帰ったら長々と説教をされた。
 これはもう全面的に自分が悪いと認めざるを得ない。
 まあ「一度目は許す。だが、同じ注意を二度もさせるな」というのは、本当、分かるから何も言い返せない。
 知らないのは上司が悪いから指導する。
 知っているなら部下が悪いから叱る。
 当然の事だ、何のいいわけも出来ない。
 ともあれ、食事をさせれくれたので、これで後数日、もうミルクしか残っていないが、何とか生きて行けそうだ。
「預かった宝石は兵装課の金庫に預かって貰いたい。任せてもいいか?」
 そう言って手提宝石用金庫を手渡す
「あ、はい。でも何で兵装課なんですか? 窓口課にも金庫ありますよね?」
 どうしてメイフィに頼むのかは分かっている。
 彼は兵装課課長のシャムレナが苦手なのだ。
 だが、そうまでして苦手な兵装課の金庫に置いてもらう必要があるのだろうか?
 置いてもらう以上、取りにも行かなくてはならない。
 だとしたら、自分たちで自由自在に開閉できる窓口課の金庫に置いた方がいいだろう。
「窓口課の金庫なら、私でもお前でも開け方を知っている。となれば、もし私、もしくはお前が裏切れば盗まれてしまう。今回の案件は巨大だ。だから、手提げ金庫の鍵は我々で管理したまま、事情を知らない第三者に預かってもらった方がいいだろう」
「はあ……分かりました」
 言っている意味を理解しないまま、メイフィは兵装課に金庫を持って行く。
 だが、歩いている途中に、ヴェルムの言った意味に気づいてしまった。
 遠回しにではあるが、つまり「お前が盗むかもしれないだろ?」という事だ。
 「金庫の開け方は私でも知っている」などと自分も含めてはいるが、自分で盗むことを想定するはずがない。
 という事はメイフィが盗む可能性があるから、兵装課に預けよう、と言いたいのだ。
 だったら金庫の開け方を教えるな、と言いたい。
 窓口課に入って一週間程度で金庫の位置も開け方も教えてくれたから、信用されていると思っていた。
 ちなみに兵装課や諜報課の金庫は場所すら知らない。
 だから、あんな上司だけど、もう窓口課でいいや、と思っていたのだ。
 まあ、あれで悪い人ではないし。
 一緒にいて楽しくはないけれど、少なくとも大切にされていないとも思えない。
 それが一転して、信用されていないと宣言されたようなものだ。
 腹も立つ。
 しかも使い走りにされている。
 このまま断られたと言って戻ってやろうか?
 いや、そうなるとまた自分の数少ない利用価値がなくなり、そのうち解雇されるかも知れない。
 悔しいが頼みに行くしかない。
 まあ、兵装課は二週間いたことのある部署だから、勝手知ったるところもあるので行きやすくはある。
 まあ、ただ、シャムレナに失格の烙印を押された後などでなるべくなら会いたくはなかったのが。
「失礼します」
「おう、メイフィじゃねえか! よく来たな? やっぱりここにまた赴任されてきたのか?」
 メイフィの姿を認めるグレーの髪に褐色長身の軍服。
 シャムレナは勢いよく立ち上がり、嬉しそうに寄ってきた。
「こ、こんにちは、お久しぶりです」
 その勢いにメイフィは、多少怯えてしまう。
 あ、そう言えばこの人は──。
「久しぶり! んーーっ!」
「んぁっ!」
 勢いよく抱きしめられ、思い切りキスをされる。
 これだけは慣れようがない。
 メイフィのファーストキスは彼女に奪われ、それから何度も奪われているのだが、それでもやはり慣れることはない。
 別に嫌悪感があるわけではなく、どちらかと言えば逆の意味で、なんだか少し気持ちよくなってしまうのだ。
 なんだかそれを拒否したいものの、受け入れたいと思っているこの自分の気持ちが嫌なので、出来る限り避けたい。
「で、どうした? 本当にあの野郎がうちの課に回してくれたのか?」
「いえっ! そうじゃなくって! その……お願いに、来たんです!」
 喜ばれているところを本当に申し訳ないが、自分は別に配属されたわけではない。
 いや、それよりも配属をこんなに喜んでくれるのは、話が違うのではないだろうか?
「お願い? 何のだよ?」
「その……これを、兵装課の金庫に預かってもらえませんか?」
 メイフィは持ってきた金庫を持ち上げる。
「何だよこれ?」
 シャムレナはそれをひょい、と摘み上げて、振ってみたりする。
「今日、お客さんから預かった、金剛石です。次長が兵装課に預かってもらえと」
「はあ? なんでだよ?」
 その名前を出せば不機嫌になることは分かっていた。
 だが、言わなければ説明のしようもなかった。
「この手提金庫の開け方は窓口課が知っています。その上で窓口課以外の金庫に預かってもらうことで、万全の守りの体制にしたいのではないかと。あくまで私の推測ですけど」
「ふーん。あの野郎の考えてることが分かるようになったのか?」
「いえ、正直何考えているのかさっぱり分かりません。ですが、聞けば教えてくれるので、いつも聞いています」
 シャムレナが不愉快になると分かっているが、訊かれたことは正直に答えよう。
 彼女はしょっちゅうキレるが、理不尽に暴力を振るう人間ではないことは知っている。
「まあいいや、追い返すとメイフィが役立たずってことになるんだろ? それは預かってやる」
「ありがとうございます!」
「それはそうと、だ……」
 シャムレナはメイフィに身体を寄せて来て、メイフィはキスを警戒する。
「お前の希望はもちろん、うちの課だよな?」
「え? あれ?」
 親しげに、それこそ、はいと言った瞬間にキスする勢いで身を寄せて来るシャムレナに、自分との認識の齟齬を見つけ、身を反らしつつも疑問を呈してみる。
「私、兵装課には無理だと言われたと聞いたんですけど」
「は? そんなこと一言も言ってねえよ! 絶対にうちに寄こせって言ったはずだぞ?」
 キレるシャムレナ。
 彼女が嘘を言っているようには見えない。
 むしろ、嘘なんて付けそうにない人だ。
 だとすると──。
「あの野郎、人の言葉を曲解して伝えたがったな?」
「ああ、そうかも知れませんね。よく考えたら『失格だ』とは一言も言ってません。『腕力がないから即戦力にはならない』とだけ言われました」
「確かに言ったな? だが、それは言葉の一部分だけを切り取っただけだ! いいか? 私はメイフィに来て欲しい! それだけ覚えておいてくれ。あんなくそ野郎の事なんか信用するな!」
 半ばキレ気味に真正面で言われると、その怒りがこちらにも伝わって来る。
「分かりました。もう信用しません」
 最近になってやっといい人かな、と思い始めたが、やはり駄目だ。
 あの上司は信用出来ない。
 自分は出来る限り奴から離れたい!
「じゃ、これは預かっておくからよ。いいな? きっと戻って来いよ?」
「分かりました。では」
 メイフィは別れの挨拶をして、兵装課の部屋を後にした。
 一呼吸をして落ち着いて考えれば、まあ、あのヴェルム次長なら、どうせ自分が次の部署で手を抜かないように誉め言葉をカットしたのだろう。
 あの人ならやりそうだ。
 そのおかげで諜報課でも頑張ったし、窓口課でも頑張っている。
 結果的にいい効果を上げることが出来た。
 それは自分にとっても嬉しいことだ。
 理解している。
 それは、十分理解しているし、そういう人だと分かっている。
 なのに、どうして自分はこんなに腹を立てているのだろうか?



最終更新 2017/03/26 13:28:17



トラックバック: http://d-maki.jp/tback/tback.php/2017/03/26


2017年3月11日の日記 
鍋と97。 [小説]
 一月以上更新しませんでしたが、書くこともありませんでした。
 そして、今回も特に書くことはありません。
 漫画とアニメを見て、仕事して、小説を書いてるだけの日々です。
 ああ、休日の朝食がお好み焼きをやめて夏くらいから焼きそばとかにして、更に最近は鍋になりました。
 ええ、鍋。
 朝から鍋。
 鍋スープと肉と白菜、キノコ類とか買ってきて煮込むという簡単な料理です。
 何でこうなったかと言いますと、春ごろに薬の副作用で胃がもたれやすくなって、お好み焼きをやめて焼きそばにして、更に普通の味噌煮込みうどんにしてたんですが、1月の雪が降った後くらいにもっと暖まるのがいい、と思って鍋にしてみたのですが。
 価格的に大して変わらなかったので、そのまま鍋になったのですが。
 そろそろ鍋の季節終わりですね。
 今後どうしようか考えているところです。


 さて、今は97を書いています。
 世界観はハイファンタジーに近いですが、完全な剣と魔法の世界でもない感じのふわっとした世界です。
 主人公は世界規模の金融会社の社員で、独自の私兵も諜報機関も保有している組織の話です。


『え? 侵入してきたの? 周辺調査じゃなくて?』
「え? 潜入前に調査がいるんですか?」
 お互いの言っていることに齟齬があることに気づいたのはリーナだけだった。
『いや、そうじゃなくってね……ま、いいや』
 リーナは説明を諦めた。
 ラクシルの事務所に報告に戻ってきたメイフィは、意味も分からないまま首をひねる。
 メイフィに与えられた任務は、とある国の貴族の持ち物である魔道研究所の調査だ。
 研究所に資金を融資している社は、そこで開発されている、魔道具の進捗を知りたいので探ってくるよう命じられたのだ。
 ラクシルの通常の任務では、とりあえず研究所の周辺を歩いて、所員が行きそうな酒場や食堂を探り、話を聞いたり、直接話してみたりすることなのだ。
 メイフィは可愛いし、まだ成熟した女性とは言えない年頃なので、所員の一部は気を引きたくて「どうせ分からないだろう」と話をして、「難しい話だけれどとにかくすごい」と言われたがる者もいるのだ。
 そういう意味で、彼女はぴったりだろう、と行かせたのだ。
 だがそれを、メイフィは研究所に侵入して直接書類を探って来い、という指令だと思い、侵入して、情報を得て来たのだ。
『誰にも見られなかったんだよね?』
「もちろんそんなへまはしません!」
 自信たっぷりで応えるメイファ。
『へえ、情報の精度は高いよね。何が欲しいのか分かって持ってきたみたいだね?』
「そ、そうですか? よかった、ちゃんと仕事出来て」
 ほっと胸を撫でおろすメイフィ。
 彼女はリュークスでは戦力にならないと評価されたと思っているので、ここで評価されないと行き場がないと思い込んでおり、必死に頑張ったのだ。
『ヴェルムさんもよくこんな子を見つけて来たよね』
「え……?」
『彼の人を見る目だけはボクも信頼してるからね』
 自分は、彼に「見つけて」来られたことになっている?
 いや、そんなわけはない、彼がしたことは自分にこの会社を受けろと言った事だけで、彼は何の手助けもしてくれなかった。
 誘っておいて無責任な奴だ、とその時は思ったものだ。
 家族全員を失った自分が、こうして生活を続けられているという事は、まあ、その点に関してだけは感謝してもいいが、別に自分は彼にスカウトされたわけではない。
 ヴェルムの悪口はリュークスで散々聞いた。
 あいつは、成績と手柄のことしか考えていない、感情のない自動操人形(オートマトン)だ。
 あいつが女に言い寄っているところを見たことがない、部長が好きな男色じゃねえか?
 など、そのほとんどは根も葉もない中傷を、シャムレナを中心とした荒くれ者の冗談として言っていることはメイフィも理解している。
 が、そこまで嫌われている彼が、では大物であるかと言われれば、それは否定するしかない。
「わ、私は別にヴェルムさんに見つけられたわけではないです……」
 何となく、自分が彼の手柄になっていることが嫌だと思ったメイフィは、そう反論した。
『え? そうなの?』
「はい、確かに誘われましたけど、それは私に行く当てがなかったから、話のついでに選択肢の一つとして言われただけですし」
 確かに誘われたのは事実だ。
 だが、自分が頑張れば彼の出世になる、という構図が気に入らない。
 いや、もしも彼が本当に自分を誘って、入社も融通してくれたというならまあ、構わないところではあるが。
 実際に志願して、採用されたのは自分の功績だ、それ以外の何者でもない。
『でも、彼、部長に私が責任をもって育てます、とか言って掛け合ったって聞いてるよ』
「え……?」
 そんなことは初耳だ。
 そもそも、態度ではなかった。
 最初に入らないかと聞いた時も、誘われたのかと思っていたら、「自分の実力で入れ」と言われたはずだ。
 少なくともそれに近いことを言われている。
 そして、入社して会った時も「本当に入社したのか」のようなことを言われているし、少なくともそんな態度だったと思う。
「そんなことは、ないと思います、けど……」
 メイフィも言う程ヴェルム本人を知っているわけではない。
 だが、その少ない印象でいいと思ったことはないし、リュークスでの話を聞く限り、悪い印象しか受けない。
 まあ、その中から必死に頑張っていいところを挙げるとするなら、頭が切れる事、仕事に、いや、仕事以外でも真面目であること、上の命令は逆らわないこと、くらいだろうか。
 少なくとも情で動くことは絶対にないと言い切れる。
 あの時のメイフィは、おそらく誰からも同情を買える状況にあったが、彼だけは同情などしなかった唯の一人と言い切れる。
『でも、ボクが聞いたのは部長だよ? 新人を寄こすってヴェルムさんが言ってたから、どんな子かなって、とりあえず教えてくれそうな人に聞いて回ったんだ』
「え? リーナさんが直接ですか?」
『……驚くところそこなのかな? ボクだって聞きに行くことはあるよ。部長室の壁には通気用の穴があってね』
 どうやら正面から部屋に入って聞いて来たわけではないようだ。
 とは言え、直接聞いて来たことには変わりはない。
 つまり、ヴェルムが部長に掛け合ったというのは本当だろう。
 彼が感情で動くことはない、とするなら、自分の中に才能があって、それに気づいてくれたという事だろう。
「ヴェルム次長って、どういう人なんですか?」
 そう考えると、なんだかそれだけで、肯定的に見たいと思ってしまうのが人間だろう。
 少なくともシャムレナよりは仲がいいリーナに、ヴェルムについて訊いてみたくなった。
『彼は鬼畜メガネだと思われているみたいだね、だけどそうじゃないんだ』
 そもそも、メイフィは彼が眼鏡をしているところを見たことがない。
『彼は、総受けだよ』
「総受け」
 総受けって何だろう?
 性格の事だろうか?
『彼は全ての男性から凌辱されるんだ。目いっぱい屈辱的に、尊厳も与えられず』
 彼女は何を言っているんだろう?
『そして、最後にはプライドをかなぐり捨てて、ただ快楽に墜ちるんだよ』
「は、はあ……えっと?」
『ボクの創作ではいつもそうなってるんだ』
 何となく、分かっていたが、愉しそうに語るので、止めるに止められなかった。
 だが、メイフィが聞きたいのはそんな想像、いや、妄想の話ではない。
「あの、そうじゃなくって、本当のヴェルムさんの事ですけど」
『本当の? いや、これもボクの中では本当(リアル)なんだけどね』
「はい、分かりました。そうですね、ヴェルムさんは総受けなんでしょう。その上で、お聞きしたいのですが、彼はどんな人となりなんでしょう?」
 諦めたメイフィは一旦それを受け入れてから受け流して、再度聞いた。
『うーん、まあ、真面目?』
「まあ、そうですよね?」
 それは、メイフィにも分かる。
 彼は真面目だ、あまりにも真面目だ。
 だから、別に自分を不真面目とも思ってもいなかった周囲が自分を顧みて不真面目だと思えてしまうこともある。
『真面目過ぎて隙がない。仕事は出来るけれど、信頼できない部下には仕事をさせない。だから、全部一人でやってしまう』
「確かに、仕事以外の事を考えてなさそうな気がしますね」
『人を変えようとしないんだ。人を変えるより自分が変わった方がコストがかからないって思ってるから』
 彼の一番の特徴であり、長所であり短所でもあるのは、その、全てを「コスト」で判断するところだ。
 給料を貰っている者として、自分の仕事も会社から見ればコストであり、同じ結果を最短の時間で行うよう考えることは望ましい姿勢ではある。
 だが、彼はそれを徹底し過ぎているのだ。
 彼のコスト管理には、人心は介在しない。
 心があると仮定するなら、彼が傷ついても、他の誰かが傷ついても、それがコストカットにつながるなら、迷わずそれを選択するのだ。
 おそらくリーナもシャムレナも、その被害を受けているだろう。
 シャムレナがヴェルムの業務指示で動かない理由を「余計なコストがかかるから」と口にするのも、彼への皮肉だ。
 自分や他人の感情には一切配慮せず、冷徹にコストカットだけを考える。
 だから、言われるのだ。
 「彼には感情がない」と。
『でもね、そんな彼だからこそ、間違いがないって信頼されてるし、ボクもそこは信頼してるんだ。そんな彼がメイフィちゃんはものになるって判断したんでしょ? それって凄いことだと思うけどな』
「そうなんですかね? でも、そんなこと一言も言ってくれてないですけど」
『それはみんな同じさ。ボクだって多分信頼されてるけど、褒められたことなんてないよ。前にちゃんとやったんだから誉めてって言ったらさ、給料もらってやる仕事は、ちゃんとやるのが当然だ。ちゃんと出来なかったら責任を取れ、なんて言うんだよ? そりゃそうなんだけどさ、そこは職場を円滑に動かすためにありがとうの一言くらいあってもいいんじゃないって思うんだ』
 確かに、コストを言うのであれば、ありがとうの一言などただなのだから、それを言うだけで仕事がうまく行くのならそうすべきだろう。
 だが、彼は無駄だと思うことは一切しないのだ。
 挨拶はコストもかからないが、することにも何のメリットもない、だからしない。
 本当に徹底しているのだ。
 だが、その彼に自分が採用されたというのも、どうやら事実らしい。
 自分はそれに見合うだけの活躍が出来るだろうか?
「……まあ、期待されていることだけは分かりました。どの部署になるかはまだ分かりませんが頑張りたいと思います」
「うん、頑張ってね。ボクもいい評価を伝えておくよ」
 顔は見せてくれないが、この前見た時には歳が近いと感じたリーナ。
 彼女が上司ならうまくやって行けるかもしれない。
 リュークスで拒否された以上、ここで頑張って行きたい。
 そう誓う、メイフィだった。



最終更新 2017/03/11 23:00:03



トラックバック: http://d-maki.jp/tback/tback.php/2017/03/11


前>>>
RSS2