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2017年6月25日の日記 
鍋と100。 [小説]
 三月ごろにそろそろ鍋をやめるとか言ってましたが、まだ鍋が続いています。
 あれ、楽なんですよ、食材切って鍋に入れておけばいいだけなので。
 飽きないように色々と食材も変えられますし。
 鍋汁は減りましたけど、定番はなくなりませんからね。

 さて、今は100を書いています。
 まあ、キャラが乗ってないんですよね。
 後で大幅に書き直すかもしれません。

「確かに賑わってるなあ。あの頃よりも」
 ダンジョンを抜けだし、秘密の通路から街に来た俺は、その賑わいに驚く。
 俺の曖昧な記憶では、もっとこう、牧歌的な街だったように思う。
 今では別に市場というわけではないのに、そこかしこから商品の魅力を叫ぶ声が聴こえてくる。
 それを見ながら、時には立ち止まりながら、歩いて行く大勢の人々。
 まるで城下町のような賑わいだな。
 それに、やっぱりこの街は若者が多い。
 中には結構強そうな武装をしている奴らも混じっている。
 あいつらがダンジョンに臨む奴だろうな。
 強そうに見えるし、実際強いんだろう。
 あいつらの中に、ナタまでたどり着く奴が何人いるだろうか?
 楽しみだ。
 俺をわくわくさせるような、強い奴らは、この百年で生まれただろうか?
 それとも、一切変わっていないのだろうか?
 ま、そうそう変わるもんでもないだろうけどな。
 などと考え事をしているうちに、思わず小さな通りに入ってしまった。
 ま、迷うのもいいさ。
 そんなに広い街でもないからな。
 奥に歩いて行くと、さっきまであれほど人が溢れかえっていた割に、ここにはほとんど人がいない。
 建物もあるのだが、古びていて人が住んでいるのかどうかも分からない。
 いや、住んではいるようだ。
 気配のようなものはある。
 だが、誰も出て来ない。
「よう、そこの奴」
 声が響く。
 振り返ると男が三人ほどで立っていた。
「俺か?」
「そう、お前だ。ここらがうちの縄張り(シマ)ってのは分かってんだろうな?」
「ああ、そうだったのか?」
 人間というのは、人間という種類の中で更に種類を分け、それぞれが縄張りを持ち、他人の縄張りを奪ったり奪われたりする習性があったな。
 それの事かな?
 けど、あれはもっと大きな、王国と呼ばれる単位でやっていた気がするが、俺がいない百年の間に、それが細分化されたって事だろうな。
「知らなかった。悪かったな? それで、確か、国境、だったっけ? それを越えるには何をすればよかったんだ?」
「国境? てめえ、何言ってんだ?」
 三人が笑う。
 あー、これ、いい笑い方じゃねえな。
 俺を嘲笑するような笑い方だ。
 いやでも、しょうがないだろ? 俺もさっき目を覚ましたばかりなんだからよ。
「悪いな、ちょっと事情に詳しくなくてさ、で、俺はどうすればいいんだ?」
「そうだな、ま、金を置いて行ってもらおうか、通行料ってやつだ」
 通行料か、そりゃ面倒な世の中になったもんだな。
「あー、悪い、金持って出て来るの忘れた」
 ナタと俺の部屋には結構な財宝があって、ま、一応は俺たちを倒した奴らの報酬ってこと人なるんだが、俺が街に出る時は、それを少しだけ持ってきて、街で換金していた。
 けど、今日はそんな事忘れてたし、今のこの身体でナタの隙をつくのは結構難しいので、何も持たずに出て来た。
 つまりは文無しだ。
「だったら、てめえの家に取りに行けよ、俺らもついて行ってやるからよ」
「ついでに家の場所覚えて、これから何度も訪ねてやるよ、金がなくなったらな」
「いやあ、家に帰るのは、今は無理だな。ちょっと怒ってる奴がいるだろうからな」
 今帰ると、ナタに怒られて、もうしばらく出してもらえないだろう。
 情けないことだが、今の俺は、あいつより遥かに弱いからな。
 本調子でも無傷で勝てるってほどじゃないと思う。
「おいおい、てめえの事情なんて、こっちは知らねえんだよ。さっさと行くぜ?」
「いや、ちょっと無理だな」
「ざけんなっ!」
 顔面に衝撃。
 バランスを崩し地面に倒れる。
 ああ、俺、殴られたのか。
「こっちが優しくしてるうちに言う事聞いとけよ? てめえの家の全財産奪ってやってもいいんだぜ、こっちはよ!」
「あー、俺、かなり弱くなってんな」
 こいつの殴る拳は見えていたけど、避けられなかった。
「さっさとしろや! もう一発食らいてえのか!?」
「んー、そう言われてもっ……!」
 また殴られた。
 ああ、でも痛みも鈍ってるみたいだな、何も感じない。
 あー、これどうしようかな。
 もしかするとこいつらって──。
「何してるのよ!」
 違う方向からの怒鳴り声。
 それは、勇ましい、女の声。
「何だあいつ?」
「げ、あれ、ザンズス道場の自警修業だぜ?」
 男たちの声に焦りが混じる。
 なんだその、ザンスズ道場って?
「構わねえよ、女一人だ。囲んで痛めて犯しちまえ!」
 三人は女を囲む。
 女は人間の年齢で二十年も生きていないだろう。
 赤毛の長い髪をポニーテールにまとめている。
 こういうタイプを長身スレンダーって言うんだろうな、多分俺よりも結構身長は低いんだが、おそらく鍛え上げられた痩身のおかげで長身に見える。
 動きやすいからか、身体の線が出るような服を着ているので、その身体が鍛え上げられていて、しなやかに動くであろうことが分かる。
 だが、流石に男三人相手では難しい。
 この三人は特に鍛え上げられた様子はないが、六つの手から身を守りながら、攻撃をするは手が足りない。
 もちろん、やり方がないわけじゃない。
 あれだ、あれ……出て来ないけど。
「おらぁぁぁっ!」
 一人のかけ声で、全員が動く。
「やっ!」
 女は十分に引きつけた上で背を下げ、一瞬で囲いを飛び出した。
「ぐぁっ!」
「てめ……!」
「いでぇっ!」
三人はそれぞれぶつかって、頭を打つ。
 頭を抱え、一人がうずくまる。
 だが、こいつらは頭を抱えている暇などない。
 今は戦闘中なのだから。
「やっ!」
「ぐへっ!」
 一人が、女の拳を鳩尾に入れられ、くの時となり、倒れる。
「はっ!」
「あがっ!」
 そして、別の一人が上段蹴りで顔面を蹴り上げられる。
 あー、あれは脳に来たな。
 そのまま足を崩す。
「あんた達も働きなさい! この街は出来る仕事が沢山あるはずよ?」
「くっ……!」
 三人は返事も反論もなしで逃げていく。
 えーっと、これはどういう事だろう?
「なあ」
「大丈夫だった? あいつら、ここら辺で仕事もせずにお金を巻き上げてるから注意して? あなたも腕に自信がないなら、大通りを歩きなさい?」
「いや、腕に自信がないわけじゃないんだけどさ、ちょっと聞いていいか?」
 俺は、どうにも状況が掴めてはいない。
 結局どういうことだろう。
「何よ?」
「さっきの奴らに通行料を求められて、俺、今金を持ってなかったんだけどさ、これって踏み倒したことになるよな?」
「は?」
 女は、俺を馬鹿にするような表情をする。
「いやさ、俺はこの街の最近の事情を知らないんだよ。だから、もし通行料が必要なら悪いことをしたな、と思ってさ」
「通行料なんて必要ないわよ。普通に考えて、こんな裏の道通るのに、どうしてそんなものが必要だと思ったの?」
「そっか、ありがとうな、教えてくれて」
 百年経っても、大して状況は変わっていないようだ。



最終更新 2017/06/25 13:25:55




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