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2016年12月4日の日記
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[小説]
さて、GAへの応募も終わり、同人誌も入稿まで終わりました。
後は次の作品を書きつつ、プロットを書いていくことにしましょう。
プロットはいくつかネタはあるのですが、一つ一つ粛々と作成していきましょう。
プロットの書き方はまた変えました。
脚本術を読んだり、プロの知り合いに聞いたりした構成方法からの書き方にまた大幅変更しました。
とはいえ、キャラシートに関してはほぼ積み重ねになっています。
ぶっちゃけいらない項目もあるかも知れませんが、それも一応記載しておきます。
すっきりしたのはストーリーラインの方です。
多分この作り方は間違えていないと思います。
後はそれを文章化出来る能力があるかどうかだけですな。
それで書いている方ですが。
今書いているのは95で、これは異世界転生を禁止された女神が同世界で盗賊に殺された若者にチートを与えて世界征服させる話です。
「えーっと、あんたは死んだんだけど、これから──」
「え? ちょ、ちょっと待って?」
いきなり軽いノリでそんなことを言われ、慌てて制止するコルシェ。
人の生き死にをそう簡単に口にしてもいいはずがない。
「何よ? 私だって忙しいんですけど」
「あ、すみません……」
目の前の女の人がご機嫌斜めになったので取り合えず謝った。
コルシェは牧歌的な農家で生まれ、農村で育ってきた、今年十七になる若者で、こんな垢抜けた感じの女の人にこれまで出会ったこともなく、高飛車な態度を取られると対処に困るのだ。
「あんた、街道を歩いてたでしょ?」
女の人は、イラッとしながらも、さすがに説明不足過ぎたと思ったのか、説明を始めた。
「はい」
「その時に、強盗に会ったわよね? そいつに殺されたのよ」
特に感情もなく、いつもの話題であるかのように、女の人は淡々と事実だけを述べる。
綺麗な人、というか、気の強そうな若干吊目が大きいので幼く見え、可愛いとも言える人だった。
「強盗……あ! あいつか!」
コルシェは強盗、と聞いてもすぐに何も思いつかなかったが、そう言えば強盗らしき者に会った覚えはあった。
小柄な女の子で、コルシェより頭一つ分くらい背が低い女の子が、ナイフ一本かざして「お金を置いていくっす! 身ぐるみも置いていくっす!」とか言っていた。
コルシェは農業しか生計がない、平和で牧歌的な田舎地域の生まれだったので、何かの行事(イベント)かと思って、笑って「お金は無理だけど、干し肉を持ってきてるから分けてあげようか?」と言おうとした。
言おうとしたのだけは、憶えている。
あれ? その後どうなっただろう?
覚えていない。
いや、何か信じられないことが起きた覚えがある。
いきなり呼吸が出来なくなって、そのまま──。
覚えてない。
その続きを何も覚えてはいなかった。
「そうか……あれで殺されてたんだ……」
あの、自分より年下の女の子に殺されて、死んだのだ。
彼の出身は喧嘩ですら村中の噂になるほど平和な農村であり、この地域全体も戦争の陰すらない、穏やかで平和な時代が長く続いている。
けれども、世界全体が平和で、全員が安全に暮らしていける世の中でもない。
街には盗賊もいるし、街道には強盗もいる。
コルシェは運悪く、それに殺されただけだ。
「自分の境遇を理解した?」
「分かりましたけど……それなら、あなたは誰ですか?」
自分の死んだ、と言う存在。
死んだはずの自分と話が出来る存在。
そうなると、普通の人間というわけではないだろう。
そう思うのだが、何だろう、この女の人には、「そういう存在」のような威厳というか重厚さが感じられなかった。
一言で言えば軽かった。
ただ、都会の垢抜けた綺麗な女の人、という感じにしか思えなかった。
「私は女神よ? ほら、炎の女神フレイヌ。知ってるでしょ?」
ちょっと威張り気味に、女神と名乗る女性が答える。
その、私有名人だから当然知ってるわよね? という態度にはイラッと来る。
だが、残念ながら、コルシェはその名前を知っていた。
「……あー」
そして、その女神が女神の癖に軽い理由も何となく分かった。
炎の女神フレイヌ。
それは誰もが知っている女神だ。
どちらかというと邪神という認識の方が強いだろう。
かつては魔王を生み出したとも言われている、人心を惑わせて戦いに駆り出す神とも言われている。
多くの教会では、彼女の誘いに打ち勝つ事こそが、人としての第一の試練だとも言われている。
「……何よ、その顔?」
「いえ? 元々こういう顔ですが」
だが、流石に本人を前にして、邪神とか打ち勝つとか、そんなこと言えないので誤魔化した。
「そんなわけないでしょうがっ! あんたも私のこと邪神だと思ってんでしょうが!」
「そんなことないです! どちらかというと素晴らしい神だと尊敬しています!」
綺麗な顔に詰め寄られ、女の子に免疫のないコルシェは目を反らす。
「やっぱり嘘かっ!」
「本当です! あまりの神々しさに目を逸らしてしまいました!」
「嘘つけっ!」
胸倉を捕まれる。
「みんなそう! 何なのよあんた達!? あれだけ火の世話になっといて! 私に文句があるなら、料理で火を使うなっ!」
「ごめんなさい! すみません!」
邪神とは言え女神が怒っている以上、下手に出るしかないだろう。
「まったく、これだから原住民(ナチュラル)は! 異世界転生者(フォーギナー)は本当、素直で、私をすぐに女神って認めたのに!」
「あの、異世界転生者って何ですか?」
「面倒くさいわねえ、この世界じゃない世界の死人の魂をこの世界に連れて来ることよ。あの子達は本当、変な知識はあったけど、この世界のことは知らなかったから素直だったのよ、ここにいるときはね」
ここにいるときは、という言い方に少し棘があったが、わざわざ聞き返す気もない。
「とにかく! 死んだあんたを生き返らせてやるって言ってんのよ! ありがたく思いなさい!」
「え……本当に?」
自分を生き返らせてくれる。
それが本当なら、たとえこの邪神呼ばわりされている女神でも今後の人生でずっと信仰してもいい。
それは確かに茨の道だ。
おそらくメジャーなコミュニティーには入れないほどの迫害を受けることだろう。
それでも、たとえ不幸になっても、自分は──。
「あんた、今物凄く失礼なことを考えてない?」
「考えてません。今後の人生で女神フレイヌ様を信仰しようと考えていました」
「そう、ならいいわ」
コルシェは間違ったことを言ってはいない。
「ただし、生き返らせるのには条件があるわ。これを呑んでくれるなら生き返らせてあげる」
「……なんですか、その条件って?」
「あなたに、一つだけ女神の恩恵(チート)と呼ばれる能力をあげるわ。それを活用して、世界征服をしなさい!」
ばん、と突拍子もないことを言われ、コルシェの頭はすぐにそれを消化できなかった。
「……は?」
「だから! 世界征服しろって言ってんのよ!」
「いや、聞こえましたけど……何でですか?」
まさか、女神に世界征服しろと言われるとは思わなかったので、聞き返した。
この女神が魔王を作ったって噂は本当だったのだろうか?
「だって、平和だったら誰も私を敬わないじゃん!」
女神フレイヌは、仮にも一応女神のフレイヌは、とても軽い口調で、とても自己中心的な理由を吐いた。
最終更新 2016/12/04 21:44:02
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