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2016年12月31日の日記 
コミケ日記 [同人イベント]
 そんなわけで、コミケに行って来ました。
 最近年末コミケは苦行に近くなってますが、まあ、頑張りました。
 いつものように箇条書きにしますが、いつもより淡白になると思います。
 だってほぼ同じことの繰り返しなので。

・29日昼に家を出る
・準急で名古屋へ
・新幹線の切符は買ってないので行列に並んで買う
・13時過ぎはみんなN700系のはず
・新幹線ホームで弁当でも買おうと思った
・けど、胃もたれがひどいのでサンドイッチで
・乗車して、三河安城通過までに食べ終わる
・後は執筆
・ノクターン向けに書く
・書き終わったので、なろうむけを今年中にあと6話書かないと
・今回D席取ったので、凄い富士山が綺麗だった
・一応写真は撮ったけど。やっぱり写真と本物は全然違うよね、マジで


・東京に到着し、新橋のホテルに直行
・部屋に到着


・ちゃんと荷物着いてた
・前日の午前に荷物送ろうとしたら「明日の配達は難しい」って言われたのでどうしようかと思ってた
・そして、到着したら各機器の充電


・しばらく色々な準備をしてから、近くのクリエに行く


・なんか、その前にアベマでAB見てたみたいだけどね
・クリエで執筆、なろうの続き
・夕方も更けたので出て、夕食の店を探そう
・いや、その前に、新幹線のチケット買いに行こう
・29日の夜に31日の新幹線のチケットを買いに行ったら、もうほぼ午前中がない
・グリーンも含めて
・残ってるのは8時のと13時の
・8時に乗るとなると、7時半にホテル出ることになり、そうなると逆算してコミケ当日とほぼ変わらない起床になってつらい。
・13時23分のグリーンD席
・Dは富士山窓側
・とりあえずどう時間を潰すかを考えよう
・そのまま夕食の場所を探すために歩く
・混んでなさそうでうまそうな店とか無茶ぶりをして何となく見つけた
・しお丸
・ちなみに写真はない
・私の個人的なラーメン屋のルール(個人でやってる店のみ)
・注文した品が来たら遅滞なく食べ始める
・一番麺がうまい具合の時に出してもらってるから、その瞬間から味が落ちていくため
・だから写真は撮らない
・食べ終わったら、どんぶりは段の上に載せる
・大抵一人二人でやってる店だから、ちょっとした手間をかけさせない
・味? 塩が強い(塩ラーメンだから)けどうまかった
・若干塩が強すぎたかな
・ちなみに塩タンメン食べた
・どうでもいいけど、絶対塩に自信のある店で醤油ラーメンを置くのは、ニーズだろうか
・帰ってアベマ見る
・ちなみに今回、ホテルのテレビを一度もつけなかった
・その後はなろう書きながらだらだらしてたらいつの間にか寝てたので、起き直してもう一度寝た
・起きる
・いつも通りアラームの数分前に
・で、しばらくしてから朝食


・ここは6時から朝食があるからいい
・今日はのんびりできないからすぐに出る
・シャワー浴びて準備
・整髪剤がほとんどない
・何とか残りで使う
・ホテルを出て、ゆりかもめに乗る
・毎年ならコンビニによって飲み物と昼食を買うんだけど
・最近胃もたれがひどくて食欲がない
・ので、コンビニに寄らずドリンクは昨日買って飲まなかったやつを持って行った
・時期が時期なので、次々と来るから乗る
・座れた
・が、スマホでしかも片手だから、なろうを書き進めるのは難しいと思って、既存作品のなろうフォーマット化をする
・これは既にこの日のためにため込んでいたので結構ある
・混んできてもそれなら出来るのでそれで進める
・会場に到着
・今回は西館
・二日目の西館の創作文芸なんて誰も来ねえよ
・そう思っていました
・スペースに到着。
・準備って結構時間かかりますよ、あの狭い場所で一人でやると
・まず最初に、宅送した既刊を取りに行く
・で、次に椅子を下ろす
・下ろしたいけどその上に山のようなチラシが乗っかってるので整理してたたむ
・椅子を下ろしたら、まずテーブルにクロスをかける
・別にクロスって義務じゃないけど。ほぼ大抵のサークルがクロスかけてるね
・クロスなくて、コピー本一冊だったら、ダミー認定されかねないからね
・その後本を出す
・並べるとか後回し
・新刊の状態をチェックする
・新刊の提出用見本誌を作る
・その後並べながら値札を作る
・チラシを出す
・タペストリーの準備
・レイアウトを色々考える
・釣りを数えて同人誌売り上げシステムに登録
・それぞれの本を数えてシステムの登録
・終了時に残分の差分を出して釣銭と合っているかを確認するためのやつ
・他人の代表の第一回目からの売り上げ記録が全て入ってるDB
・Fate本とか完売したけどな、あの頃
・手に取ってもらう用の見本誌を作る
・挿絵部分に折り目をつけて、ぱらぱらめくると、そこで止まるようにする
・だから、大体若干開いてるよね
・そんな感じで設営完了


・直前になってゲートが開く
・その向こうには大量の人が
・あ、西館は大手いるんだっけ
・女性向けだろうけど
・ちなみに隣のホールは企業ブースだった
・開始します
・しばらく来ないだろうと、なろうの執筆
・しばらく来なかった
・なろうの執筆進んだ頃に、止まる人が徐々に出てきた
・「ください」
・「これとこれください」
・今回結構同時売れが多かった
・新刊とプラスアルファ売れていく
・新刊はタペストリーにすると目を惹きやすいので、そこから止まってくれて売れたと思われる
・いつもよりは売れた
・ただ、TS本の時はまた別だった
・あれの同人ジャンルでの需要は物凄いね
・そんなわけで、今回は誰にも挨拶に行かなかったし誰からも挨拶に来なかった
・14時過ぎに宅送荷物を送ろうと準備をする
・いや、女性向けって宅送多いから混むのよ
・新刊の箱に既刊を積める
・見本ともう一冊だけ残して、新刊だけ10冊前後残して箱に入れる
・これが物凄く重い
・年取ったので担いでいくのが無理になった
・けど、今回キャスター持ってくるの忘れた
・しょうがないので旅行鞄(キャスター付き)の上に載せて持っていく
・ものすごい勢いでバランス悪い
・しかも軽いもの上に超重いもの載せてるからかなりきつい
・そのままゆうパック受付へ
・何度もバランスを崩したけど耐えた
・ゆうパック受付を済ませる
・結局筋肉を消耗した
・戻ってから、本も減ったのでモバイルPCからタブレットPC(Windows10)へ移行
・だめだ
・手が震えて高速打ちが出来なくなってる
・しばらくやめたり別のタブレット(Android6)で漫画見たりしてた
・その後また続ける
・そのまま徐々に周囲が消えていく


・なんかしつこく売れる
・新刊多めに残しておいてよかった
・既刊が四冊品切れ
・コミケ終了
・てきぱきと片づける
・今日はなんか物凄く本をくれるサークルさんがあった
・そして、帰る


・ゆりかもめ、思ったより空いてる
・いや、満員だったけど
・いつもなら駅前数十メートルまで行列出来てホーム入場規制かかってるのに
・女性向けの日は、結構最後までいない人が多いから最後までいると逆に人が少ない
・とは言え、電車に早く乗れただけで車内が空いてるわけじゃない
・混雑した車内で立って朝と同じ執筆
・物凄く喉が渇いてたので、コンビニにでも寄ろうかと思ったけど、そう言えば昨日に買い込んだ飲み物が残ったままだったと思ってそのまま帰った
・あ


・そう言えば、昨日の残りはコミケ会場に持って行ったんだった
・我慢する
・さて、そろそろ本番
・17時40分過ぎに新橋駅に向かう


・神名さんと天乃さんが同時くらいに
・いつも思うけど、私、声かけられなかったら絶対気付かないと思う
・あ、天乃さんは服装で気付くかも
・なんかどっかのおっさんが挨拶してきた
・誰?
・ああ、朧豆腐さんか
・とりあえずジョナサンに向かう
・私、いつも奥に押し込められるのでなんで? って思ってたけど、上座だからかよ
・主催者だから最下座が普通なのに
・創作の話とか傾向とか、こういうのまだ大丈夫? とか色々な話
・そう言えば20時ごろにもう一人合流するんですよ
・水城紀柳と言う人
・少し前にジョナサンを出る
・水城さんと新橋で合流
・あれ?
・これ、私の知ってる水城さん(しごきた)と違う
・とりあえず、去年行った飲み屋がいい感じだったのでそこを目指す
・あれ? どこだっけ?
・こっちな気がする
・こっちだったっけ
・ない
・閉ってんじゃね?
・探してもなかったので個室のある居酒屋へ


・あまり創作の話をしなかった
・とりあえずほぼ水城さんが騒いでいた
・神名さんは困ってた
・朧豆腐さんは苦虫をかみ潰したような顔をしていた
・天乃さんは黙ってた
・素数
・そんな感じで終わった
・とりあえず、頑張ろう
・土産をもらった


・今日もいつのまにか寝ていて起きたら2時だった
・もう一度寝た
・起きる
・今日は逆に早く何かしても意味がない
・のんびりして、8時半過ぎに昼食に向かう
・この時間だとコミケ組はもういないだろう
・と思ったら結構混んでた
・昨日とほぼ同じメニュー


・今日はのんびりしてていいのでちょっと書いていく


・その後、また部屋に戻ってなろう書く
・なろうを書き上げた
・11時過ぎにシャワーを浴びてからそろそろチェックアウトする
・いつも通り、「ヤマト運輸」のロゴマークの付いたケースに入った旅行鞄をゆうパックで送る
・12時ちょっと前くらいにクリエに入る
・一時間ほど、この日記を書く
・それから13時ちょっと前に移動開始して、13時23分の新幹線に乗る
・それで帰ってきた
・D席なので富士山が綺麗に見えた

 そんな感じでした
 今回もコミケ会場では誰にも会いませんでしたが、オフ会は楽しかったですし、今後の創作も考えるきっかけになりました
 正直そろそろコミケ上京もきつくなってきましたが、可能な限り行きたいかと思います。
 あと、私の本を買っていただける方は私に異世界とかファンタジーよりも学園ラブコメを求めていると感じました。
 今後はどっち方面に本を書くかはまだ決めてません。


最終更新 2016/12/31 15:50:51




トラックバック: http://d-maki.jp/tback/tback.php/2016/12/31




2016年12月12日の日記 
95を書き直した。 [小説]
 えー、95を書いていたのですが。
 ちょっと面白くなかったので書き直しました。
 何でこうなったのかというと、プロットに忠実に書いたわけです。
 プロットの流れと、ページ数に忠実に書いたら、面白くなかったわけです。
 ですから、とりあえず、いろいろな制約を除いて、書きたいように書いてみました。
 で、先週からの変化ですが。

「えーっと、あんたは死にました」
「……え?」
 これまで聞いたことのない言葉、これまで聞いたことのない声に、コルシェは戸惑った。
「それで、これから私が──」
「ええ!? そこさらっと流します? ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
 まだ受け入れるとかそういうところまで頭が回っていないのに先に進もうとするので、慌てて止めるコルシェ。
「何よ? 私だって忙しいんですけど」
「あ、すみません……」
 話をしている女性の機嫌が悪くなったので、とりあえず謝る。
 コルシェはこれまで生きてきた十七年、牧歌的な農家で育ってきた。
 だから、目の前のちょっと垢抜けた感じの話し方をする高飛車な女の人の相手などしたことがないので、多少持て余していた。
「んー、あんた、街道を歩いてたでしょ?」
 女の人は、イラッとしながらも、さすがに説明不足過ぎたと思ったのか、説明を始めた。
「あ、はい、そうですね。エルメルの街に行こうと思ってまして」
「その時に、強盗に会ったわよね? そいつに殺されたのよ」
 特に感情もなく、いつもの話題であるかのように、女の人は淡々と事実だけを述べる。
 綺麗な人、というか、気の強そうだが、若干つり上がった目が大きいので幼く見え、だから可愛いとも言えるような女性だった。
「強盗……? あ! あいつか!」
 コルシェは強盗、と聞いてもすぐに何も思いつかなかった。
 だが、そう言えば強盗らしき奴に会ったのを思い出した。
 それは死ぬ寸前まで、いや、死んでからもこうして言われるまで強盗であったと気づかないような者だった。
 それは小柄な少女で、コルシェより頭一つ分くらい背が低い女の子が、ナイフ一本コルシェ向けて「お金を置いていくっす! 身ぐるみも置いていくっす!」とか言っていた。
 コルシェは平和な田舎に住んでいたので、盗賊や強盗という存在は知っていたが、実際に会うことはなかった。
 ましてやこんな女の子が強盗なわけがないと頭から思っていた。
 だから、何かのイベントか勧誘かな、と思ってしまった。
 ナイフを突きつけられても、笑って「お金は無理だけど、干し肉を持ってきてるから分けてあげようか?」と言おうとした。
 言おうとしたのだけは、憶えている。
 だが、その後、どうなっただろうか?
 記憶がない。
 彼の記憶はそこで途切れてしまったのだ。
 強盗の前で荷物の中身を取り出そうとしてはいけない、荷物はそのまま投げ捨てて全て奪われるのが、生き延びる道なのだ。
 彼は、それを知らなかった。
 だから、その後、彼にとって信じられないことが起きた。
 いきなり呼吸が出来なくった。
 そしてそのまま何が起きたか分からないまま──。
 その後は憶えていない。
 記憶がないまま、今ここにいる。
「そうか……あれで殺されてたんだ……」
 あの、自分より年下の女の子に殺されて、死んだのだ。
 彼には、あんな子が人を殺すなどという感覚がまるで、なかった。
 ちょっと若者同士が殴り合いのけんかをしただけで村中の噂になるような農村だった。
 人を殺そうとする者など見たこともなく、噂には聞いていたが、コルシェはもっといかにもな悪を想像していたのだ。
 そんな農村は珍しくもなく、この国を含むこの地域全体で、戦争やいざこざが起きたことが、少なくともコルシェが生まれてからはない。
 平和な国々と、平和な国民たち。
 けれども、世界全体が平和で、全員が安全に暮らしていける世の中でもない。
 街には盗賊もいるし、街道には強盗もいる。
 コルシェは運悪く、それに殺されただけだ。
「自分の境遇を理解した?」
「分かりましたけど……それなら、あなたは誰ですか?」
 自分が死んだ、ということを受け入れなければならないと、徐々に納得している。
 だが、そうなると目の前の、自分が死んだと告げているこの女性は誰なのだろうか?
「なんでそんなことを聞くのよ?」
「いや、俺が死んだって言うなら、何故あなたとは話が出来るんですか? 普通の人間とはもう話が出来ないんですよね?」
「そうね、あなたはもう、普通の人間とは話は出来ないわ。私のように特別な存在とだけ、話が──」
「いや、早く教えてくださいよ」
「言おうとしてるんじゃないの! 何で急かすのよ!」
「いや、多分どうでもいい前置きを言おうとしてたから、飛ばして欲しいなと思って」
「そういうのが大事なんじゃないの! 私の神性? そういうのを醸し出すために!」
 そういうものはほっといてもにじみ出てくるんじゃなかなあ、とコルシェは思ったが、それはそれで話が長くなりそうなので言わなかった。
「すみません、俺、今何が起こってて、これから何が起こるのか、早く知りたいんです。だから、早く教えて欲しいんです」
「……まあ、それならしょうがないわね」
 女性はやれやれ、という態度をする。
「で、誰なんですか?」
「私の正体は何と! ……って、今言うところじゃないの! なんで急かすのよ! 死んだのだからちょっとくらいのんびりしなさいよ!」
「分かりました、ごめんなさい。それで誰ですか?」
「聞いて驚きなさいよ? 私の子の見た目の美貌、あふれ出る知性、にじみ出てくる神性、そして──」
「早くしてくださいよ」
「うがぁぁぁぁっ!」
 女性が飛びかかってきた。
「うわっ!?」
 動きが遅かったので慌てて手首をつかむ。
「離しなさい! はーなーせーっ!」
 コルシェはだんだんその細い手首を握っているとだんだん罪悪感が湧いてきて、離してしまうが、女性の方ももう攻撃の意志な内容だ。
「フレイヌ! 私は女神フレイヌよっ! 知ってるでしょ! 崇め祀りなさいよ!」
 コルシェより少し背の低い女性がフレイヌを名乗りコルシェを見上げてにらむ、涙目で。
 女神フレイヌ。
 残念ながら、コルシェはその名前を知っていた。
「……あー」
 そして、その女神が女神の癖に軽い理由も何となく分かった。
 炎の女神フレイヌ。
 それは誰もが知っている女神だ。
 どちらかというと邪神という認識の方が強いだろう。
 かつては魔王を生み出したとも言われている、人心を惑わせて戦いに駆り出す神とも言われている。
 多くの教会では、彼女の誘いに打ち勝つ事こそが、人としての第一の試練だとも言われている。
「……何よ、その顔?」
「いえ? 元々こういう顔ですが」
 だが、流石に本人を前にして、邪神とか打ち勝つとか、そんなこと言えないので誤魔化した。
「違ったでしょうが! さっきまではもっとこう、田舎育ちで幼さも残ってるけど、爽やかですっりとした整った顔の少年って感じだったじゃないの!」
「何でそう、細かいんですか! 恥ずかしいから人の顔面分析するのやめてくださいよ!」
「それが何なのよ!? 今はまるで胡散臭い人を見るような表情じゃないのよ!」
「胡散臭い人を見てるからに決まってるだろうが!」
「言った! 言ったわね女神に! 天罰よ! ここでは使えないけど天罰下すわよ!」
 半泣きで殴りかかってきたので、また手首を掴んで止める。
 その動きは喧嘩すらしたことがない女の子のそれと同じだったので、手首を掴むくらいわけないし、恐らく殴られても大して痛くはないだろう。
 女神は置いておいて、そんなか弱い女の子にひどいことを言ってしまったと反省するコルシェ。
「あー……すみませんでした、言い過ぎました」
「あんたも私のこと邪神だと思ってんでしょうが!」
「そんなことないです! どちらかというと素晴らしい神だと尊敬しています!」
 可愛い顔に涙目で詰め寄られ、コルシェは目を反らす。
「目を逸らしたっ! やっぱり嘘かっ!」
「本当です! あまりの神々しさに目を逸らしてしまいました!」
「嘘つけっ!」
「嘘でした!」
「うがぁぁぁっ!」
 また、殴りかかられる。
「みんなそう! 何なのよあんた達!? あれだけ火の世話になっといて! 私に文句があるなら、今後料理で火を使うなっ!」
「ごめんなさい! すみません!」
 邪神とは言え女神が怒っている以上、下手に出るしかないだろう。
「まったく、これだから原住民(ナチュラル)は! 異世界転生者(フォーギナー)は本当、素直で、私をすぐに女神って認めたのに!」
「あの、異世界転生者って何ですか?」
「面倒くさいわねえ、この世界じゃない世界の死人の魂をこの世界に連れて来ることよ」
「この世界じゃない世界の死人の魂……?」
 コルシェの知っている世界の次元を超えているため、意味が分からなかった。
「あの子達は本当、変な知識はあったけど、この世界のことは知らなかったから素直だったのよ、ここにいるときはね」
 ここにいるときは、という言い方に少し棘があったが、わざわざ聞き返す気もない。
「とにかく! この私が! 死んだあんたを生き返らせてやるって言ってんのよ! ありがたく思いなさい!」
「え……本当に?」
 自分を生き返らせてくれる。
「本当よ!」
「も、もしそれが本当なら、今後ずっとフレイヌ様を信仰してもいいです!」
「それはいい心がけね」
「確かにそれは、いばらの道ですけど……。多分、どの町に行っても大きな集団からは弾かれるでしょうけど……迫害もされるでしょうけど。たとえ不幸になっても、俺はフレイヌ様を──」
「何で私の信者になると不幸になる前提なのよ!」
「いや、それはだってそうじゃないですか!」
「ならない! 今も私の信者は街の隅っこで幸せに生きているわ!」
「分かりました、生き返らせてくれるならそれくらい受け入れますよってことですから」
「ただし、生き返らせるのには条件があるわ。これを呑んでくれるなら生き返らせてあげる」
「いや、フレイヌ教の信者になれってことだけでも物凄い無茶で理不尽なんですけどその上まだ条件があるんですか?」
「全人類が私の信者になることは当たり前の事じゃない。だからそれは数えないわ」
 コルシェは心の中で、よし、信者になるのはやめよう、と思った。
「……なんですか、その条件って?」
「あなたに、一つだけ女神の恩恵(チート)と呼ばれる能力をあげるわ。それを活用して、世界征服をしなさい!」
 ばん、と突拍子もないことを言われ、コルシェの頭はすぐにそれを消化できなかった。
「……は?」
「だから! 世界征服しろって言ってんのよ!」
「いや、聞こえましたけど……何でですか?」
 まさか、女神に世界征服しろと言われるとは思わなかったので、聞き返した。
 この女神が魔王を作ったって噂は本当だったのだろうか?
「だって、平和だったら誰も私を敬わないじゃん!」
 女神フレイヌは、仮にも一応女神のフレイヌは、とても軽い口調で、とても自己中心的な理由を吐いた。



最終更新 2016/12/12 0:23:44




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2016年12月4日の日記 
次につなげよう。 [小説]
 さて、GAへの応募も終わり、同人誌も入稿まで終わりました。
 後は次の作品を書きつつ、プロットを書いていくことにしましょう。
 プロットはいくつかネタはあるのですが、一つ一つ粛々と作成していきましょう。
 プロットの書き方はまた変えました。
 脚本術を読んだり、プロの知り合いに聞いたりした構成方法からの書き方にまた大幅変更しました。
 とはいえ、キャラシートに関してはほぼ積み重ねになっています。
 ぶっちゃけいらない項目もあるかも知れませんが、それも一応記載しておきます。
 すっきりしたのはストーリーラインの方です。
 多分この作り方は間違えていないと思います。
 後はそれを文章化出来る能力があるかどうかだけですな。

 それで書いている方ですが。
 今書いているのは95で、これは異世界転生を禁止された女神が同世界で盗賊に殺された若者にチートを与えて世界征服させる話です。


「えーっと、あんたは死んだんだけど、これから──」
「え? ちょ、ちょっと待って?」
 いきなり軽いノリでそんなことを言われ、慌てて制止するコルシェ。
 人の生き死にをそう簡単に口にしてもいいはずがない。
「何よ? 私だって忙しいんですけど」
「あ、すみません……」
 目の前の女の人がご機嫌斜めになったので取り合えず謝った。
 コルシェは牧歌的な農家で生まれ、農村で育ってきた、今年十七になる若者で、こんな垢抜けた感じの女の人にこれまで出会ったこともなく、高飛車な態度を取られると対処に困るのだ。
「あんた、街道を歩いてたでしょ?」
 女の人は、イラッとしながらも、さすがに説明不足過ぎたと思ったのか、説明を始めた。
「はい」
「その時に、強盗に会ったわよね? そいつに殺されたのよ」
 特に感情もなく、いつもの話題であるかのように、女の人は淡々と事実だけを述べる。
 綺麗な人、というか、気の強そうな若干吊目が大きいので幼く見え、可愛いとも言える人だった。
「強盗……あ! あいつか!」
 コルシェは強盗、と聞いてもすぐに何も思いつかなかったが、そう言えば強盗らしき者に会った覚えはあった。
 小柄な女の子で、コルシェより頭一つ分くらい背が低い女の子が、ナイフ一本かざして「お金を置いていくっす! 身ぐるみも置いていくっす!」とか言っていた。
 コルシェは農業しか生計がない、平和で牧歌的な田舎地域の生まれだったので、何かの行事(イベント)かと思って、笑って「お金は無理だけど、干し肉を持ってきてるから分けてあげようか?」と言おうとした。
 言おうとしたのだけは、憶えている。
 あれ? その後どうなっただろう?
 覚えていない。
 いや、何か信じられないことが起きた覚えがある。
 いきなり呼吸が出来なくなって、そのまま──。
 覚えてない。
 その続きを何も覚えてはいなかった。
「そうか……あれで殺されてたんだ……」
 あの、自分より年下の女の子に殺されて、死んだのだ。
 彼の出身は喧嘩ですら村中の噂になるほど平和な農村であり、この地域全体も戦争の陰すらない、穏やかで平和な時代が長く続いている。
 けれども、世界全体が平和で、全員が安全に暮らしていける世の中でもない。
 街には盗賊もいるし、街道には強盗もいる。
 コルシェは運悪く、それに殺されただけだ。
「自分の境遇を理解した?」
「分かりましたけど……それなら、あなたは誰ですか?」
 自分の死んだ、と言う存在。
 死んだはずの自分と話が出来る存在。
 そうなると、普通の人間というわけではないだろう。
 そう思うのだが、何だろう、この女の人には、「そういう存在」のような威厳というか重厚さが感じられなかった。
 一言で言えば軽かった。
 ただ、都会の垢抜けた綺麗な女の人、という感じにしか思えなかった。
「私は女神よ? ほら、炎の女神フレイヌ。知ってるでしょ?」
 ちょっと威張り気味に、女神と名乗る女性が答える。
 その、私有名人だから当然知ってるわよね? という態度にはイラッと来る。
 だが、残念ながら、コルシェはその名前を知っていた。
「……あー」
 そして、その女神が女神の癖に軽い理由も何となく分かった。
 炎の女神フレイヌ。
 それは誰もが知っている女神だ。
 どちらかというと邪神という認識の方が強いだろう。
 かつては魔王を生み出したとも言われている、人心を惑わせて戦いに駆り出す神とも言われている。
 多くの教会では、彼女の誘いに打ち勝つ事こそが、人としての第一の試練だとも言われている。
「……何よ、その顔?」
「いえ? 元々こういう顔ですが」
 だが、流石に本人を前にして、邪神とか打ち勝つとか、そんなこと言えないので誤魔化した。
「そんなわけないでしょうがっ! あんたも私のこと邪神だと思ってんでしょうが!」
「そんなことないです! どちらかというと素晴らしい神だと尊敬しています!」
 綺麗な顔に詰め寄られ、女の子に免疫のないコルシェは目を反らす。
「やっぱり嘘かっ!」
「本当です! あまりの神々しさに目を逸らしてしまいました!」
「嘘つけっ!」
 胸倉を捕まれる。
「みんなそう! 何なのよあんた達!? あれだけ火の世話になっといて! 私に文句があるなら、料理で火を使うなっ!」
「ごめんなさい! すみません!」
 邪神とは言え女神が怒っている以上、下手に出るしかないだろう。
「まったく、これだから原住民(ナチュラル)は! 異世界転生者(フォーギナー)は本当、素直で、私をすぐに女神って認めたのに!」
「あの、異世界転生者って何ですか?」
「面倒くさいわねえ、この世界じゃない世界の死人の魂をこの世界に連れて来ることよ。あの子達は本当、変な知識はあったけど、この世界のことは知らなかったから素直だったのよ、ここにいるときはね」
 ここにいるときは、という言い方に少し棘があったが、わざわざ聞き返す気もない。
「とにかく! 死んだあんたを生き返らせてやるって言ってんのよ! ありがたく思いなさい!」
「え……本当に?」
 自分を生き返らせてくれる。
 それが本当なら、たとえこの邪神呼ばわりされている女神でも今後の人生でずっと信仰してもいい。
 それは確かに茨の道だ。
 おそらくメジャーなコミュニティーには入れないほどの迫害を受けることだろう。
 それでも、たとえ不幸になっても、自分は──。
「あんた、今物凄く失礼なことを考えてない?」
「考えてません。今後の人生で女神フレイヌ様を信仰しようと考えていました」
「そう、ならいいわ」
 コルシェは間違ったことを言ってはいない。
「ただし、生き返らせるのには条件があるわ。これを呑んでくれるなら生き返らせてあげる」
「……なんですか、その条件って?」
「あなたに、一つだけ女神の恩恵(チート)と呼ばれる能力をあげるわ。それを活用して、世界征服をしなさい!」
 ばん、と突拍子もないことを言われ、コルシェの頭はすぐにそれを消化できなかった。
「……は?」
「だから! 世界征服しろって言ってんのよ!」
「いや、聞こえましたけど……何でですか?」
 まさか、女神に世界征服しろと言われるとは思わなかったので、聞き返した。
 この女神が魔王を作ったって噂は本当だったのだろうか?
「だって、平和だったら誰も私を敬わないじゃん!」
 女神フレイヌは、仮にも一応女神のフレイヌは、とても軽い口調で、とても自己中心的な理由を吐いた。


最終更新 2016/12/04 21:44:02




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