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2016年11月13日の日記 
小説構成の勉強と94。 [小説]
 さて、私は男性向けラノベレーベルなら全てのレーベルから評価シートをもらっています。
 その内容は様々ですが、どうも私の傾向として

・オリジナリティがない
・ストーリー構成が弱い

 というのがあるようです。
 で、前はずっと得意を伸ばすことで欠点をカバーした方がいいと思ってそうやってきました。
 それでデビューできた時代でしたから。
 が、時代は変わりましたし、そもそも、作家になり、作家として生き抜くためには総合的にレベルが高い必要があります。
 そんなわけで最近ハリウッド脚本術の本を買って勉強しています。
 分かりやすく理解は出来たのですが、それを自分のプロットに移すことが難しいですが。
 何でかというと、その本で例に出て来るハリウッド映画のほとんどを見てないので、例が飲み込めないわけです。
 で、聞いた話ですと、映画「君の名は。」はそういう構成が日本の映画にしては非常にうまいと聞きました。
 とはいえ、私は映画館に映画を見に行くというのは非常に非効率だと考えているのです。
 映画館に行って、上映時間を待って、映画を見て帰る、という時間消費が大きいのでほぼいかないのですが。
 で、小説を電子で買って読み始めたのが水曜日。
 ただ、読んでて、これは小説では分かりにくいなあ、と思ったのでBDでたら買おうと思ったのですが、あれは映画館で見た方がいいと言われたので、木曜日の朝ですが。
 で、私は毎週土曜日に近所のサイゼリヤ五店舗、日曜日に近所のガスト五店舗をローテーションで回っているのですが。
 ちょうど今週の土曜日が、ツイッターでは「マイカル店」と呼んでますが、実際はイオンモール桑名店なわけです。
 インターネットで調べたらちょうど同じ建物の四階が映画館でそこで16:40分から君の名は。が上映するようでした。
 で、私は毎週16:30くらいまでサイゼリヤやガストで書いているので、最も効率の良い、ロスの少ないスケジュールで見られると思い、席を予約しました。
 で、土曜日の執筆後に行ってみたわけです。
 映画自体は素晴らしかったです。
 まあネタバレもあるので深くは言えませんが、特に映像は本当に凄かったです。
 主役格に走らせまくることで躍動感ありましたし、彗星が物凄く美しかった。
 で、何より構成が物凄くうまかったです。
 序盤に誰もが興味を惹くような内容で集中させておいて、そこからそれを崩して、喪失感を味わわせる。
 そして、必死につなぎとめるために動くけど決定的な事で絶望する。
 そこからの更に必死に追い求めて、つながる、という展開も素晴らしかったですし、個々の伏線が全て活きているところも凄かったです。
 特にアイテムの使い方ですね。
 記憶は消える、情報も消える、だけど、アイテムだけは消えないところから、つながる、というところとか、更にそれで名前が残ることを避けるためにあえて名前を書かさないところとか。
 何より、情報の出し方が巧妙ですよね、映画内でも事前情報でも。

 とりあえず、いろいろ勉強になりましたので、プロットの書き方が分かりました。
 今のプロットの書き方も非効率なので変えようと思います。
 おそらく今後のプロットはこれまでよりいいものになると思います。

 それはそうと、
 94は、初稿が上がりました。
 今は推敲、の前に書き直しをしています。
 ちょっと色々書き終えてから思うところがあって、書き直しが細かく必要だったわけです。
 まあ、今月末までですし、何とか間に合いそうです。


 それから、こいつらは神のいる場所、まあ天界みたいな場所に帰るのかと思ったが、何故か封印の中にあった家に帰り、これまでと同じように半月を過ごした。
 まるでルミニスが起きるまでの時間が、残された猶予時間であるかのように、ただ、のんびり過ごした。
 そして、女神たちと和解した後も、フレイナは、やっぱり俺の部屋に居座った。
「ソーヤ! アーシェに何度も頼んでお世辞を言って、やっと窯を作ってもらったのじゃ! これでパンが作れるのじゃ! あと麦粉と塩と酵母があれば出来るのじゃ!」
 今日も騒がしく部屋に戻ってきた。
 プライベート空間を求めて個室を頼んだ俺の望みは結局聞き入れてもらえなかったが、今となっては別に嫌でもない。
「お前も大変だな、後、麦粉と塩はともかく、酵母ってどうするんだ?」
「わらわには五十年かけて作り上げた秘伝の天然酵母があるのじゃ! それを使えばよい」
「それはどこにあるんだ?」
「もちろんわらわのパン屋に……ああぁぁぁぁぁっ! もうないのじゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 絶望の表情のフレイナ。
「まあ、また一から作れ、な?」
「今すぐ食べさせたいのじゃ! せっかく窯を作ってもらったのじゃ!」
「どこかのパン屋で分けてもらえ」
「駄目なのじゃ! 酵母はパン屋の命なのじゃ! よその味を奪うわけにはいかん!」
 じゃあ、無理じゃないか。
「諦めろ。またいつでも作ってくれていいんだからさ」
「……じゃが、わらわはもうすぐ正式に女神に戻るのじゃ。それに、おぬしは……おぬしは……」
 フレイナはそれ以上何も言えなくなる。
 そう、フレイナは女神としてこの世界を司ると言う仕事がある。
 それはそこまで忙しくはないようだが(事実、リーフィーはあちこちで人間として演奏会とか言うのをやっているらしい)それでも、俺と同じ場所に住めるわけではない。
 こいつは神が住む場所に帰るのだ。
 そして俺は、村に戻るか、もしくは英雄として、どこかの国で貴族並みの待遇を受けるか、まあ、そんなところだろう。
 俺の待遇は「人としての勇者、英雄」であり、フレイナ達「女神」とはそもそも格も住む世界も、そして、寿命も違う。
 これは、俺が選択したことだ。
 俺が、フレイナを女神に戻したいと思ってやったことだ。
 だから、後悔はしていない。
 ただ、少し、寂しいだけだ。
「そんな顔をすんなよ、別に俺は今日明日に死ぬわけじゃないさ。またいつか、作ってくれよ、な?」
 俺は頭を二回ほどぽんぽん、と叩いてから部屋を出た。

「よお、ソー。フレイのパンは食べられそうかい?」
 いつもリビングにいるアーシェがやっぱりリビングにいて、開口一番そう訊いて来た。
「酵母がないからすぐには無理そうだな。アーシェには悪いが、作ってもらった窯では作れそうにない」
「そうか。だろうな。だから私も渋っていたのだが、奴がどうしても言うからな」
 アーシェは別に意地悪で窯を造らなかったわけじゃない。
 ここにいるのはルミニスが復帰するまでの半月程度、いや、もうその半月の時間も尽きようとしている。
「貴様とは永遠に盟友でいられるものかと、どうしても考えてしまうが、貴様は人間だからな……」
 アーシェの憂いげな表情。
「正直、寝るときも一緒にいられるフレイが羨ましく思えるときもある。だが……私はその先を考えてしまう」
 その先、つまり、今日明日に訪れるかもしれない、永い別離。
 女神であるアーシェでもそれを考え、恐れているのだ。
 アーシェが俺を抱きしめる。
 いつもならやめろという俺も、今日は言うつもりはない。
「ソー、私は貴様が好きだ。私だけではない、オーミィも、リーフィーも、もちろんフレイもみんな貴様が好きなのだ。だけど……貴様を好きになるという任務は、終わったのだ」
「そんなこと……」
 そんな分かり切ったこと、言うなよ。
 だから、俺はそれ以上何も言えず、しばらくただ、アーシェに抱きしめられていた。
「ごめんくださーい」
 そんな俺たちの感情を知ってか知らずか、穏やかで暢気とすら思える声が玄関から響く。
 ここは封印結界さえ破れれば、メガサズ国の郊外だ、人が来てもおかしくはない。
 とうとう見つかったか、という気分だ。
 メガサズの「魔王」が倒され、本物の魔王も倒された。
 そして、それをこの辺りの住民は目の当たりにしていただろう。
「俺が出るよ」
 俺はアーシェから離れ、玄関のドアを開ける。
 勇者として、訪問者には最初に会う必要があるだろう。
「こんにちはー」
 目の前にいるのは穏やかな微笑みを浮かべる、お姫様のような清楚な女性だった。
 歳は女神たちの見た目と同じくらいの十代後半、輝く長い金髪は少しだけ波打っており、彼女の細やかな身動きでもその光の反射を変える。
「どちら様ですか?」
「あの子たちがお世話になっております、ルミニスと申します」
「…………あ」
 とっさに言葉を返すことは出来なかった。
 とうとう来たのは、そっちの方だ。
 ルミニスが復帰したんだ。
 ここにいる猶予期間はもう終わりなんだ。
「……いらっしゃい、ルミニス」
 俺の背後から、アーシェが俺の代わりに挨拶をする。
「アーシェ! お久しぶりですね、お元気でしたか?」
 ルミニスがアーシェを抱きしめる。
 長身のアーシェの方が背が高いが、明らかにアーシェはまるで自分の母親に抱きしめられるかのように応じる。
「ああ、ルミニスこそ大変だったな。大丈夫かい?」
「私は大丈夫です。他の子たちはいますか?」
「ああ、今なら全員家にいる。リビングに呼ぼう。上がってくれ」
「はい、お邪魔します」
 ルミニスはリビングに上がり、促されてソファに座る。
「ソーヤさん、あの子たちは恐らく大変ご迷惑をおかけしたかと思います。申し訳ありません」
 深々と頭を下げる。
「ああ、いえ、フレイナを含めて仲良くやっていけました」
「そうですね、テネブラエをあなたが倒すなんて、かなり私の希望的な観測でしたから、驚きました。多分、これまでの勇者の家系で他の方より遙かに仲がよいと思います」
「そうですか、ありがとうございます」
 最高神のルニミスに誉められると、嬉しい。
 もう、その任務が終わり、仲良くする期間が終わったのだとしても。
「ソーヤさん、一つだけお願──」
「ルミママっ!」
 ルミニスの言葉は、いきなり目の前に現れたリーフィーによって遮られた。
「リーフィー、お元気でしたか?」
「うんっ! すっごく元気! ルミママは? テネブラエに倒されたりしなかった?」
 分かってて何聞いてんだこいつ。
「情けないことに倒されかけてしまいましたね」
 ルミニスは上品な娘さんが照れるような仕草をする。
「ぷぷぷ〜、ルミママよっわーい! テネブラエにやられるなんてー!」
 この世で最も強い、自分の想像主であるルミニスを小馬鹿するような大それたリーフィー。
 お前自由奔放過ぎだ。
「そうですね、今回のことは私も油断しました。反省しています」
「しっかりしてくれよーもー☆」
 自由奔放なリーフィーを優しく撫でてやるルミニス。
 ああ、この人はこういう子を創ったんだ。
 ってことは、フレイナが出て行ったのも、そういう子を創ったからなのか?
「ルミニス、お久しぶりです」
 オミランと、その後ろに隠れるようにフレイナが来た。
「オミラン、お久しぶりです。それと、フレイナも」
「お、お久しぶりなのじゃ……あと、ごめんなさいなのじゃ……」
 最後は消え入りそうな声だったが、あのフレイナが自分から謝った。
「私の方こそ、辛い思いをさせてしまいましたね? ごめんなさい」
 そう言って、ルミニスはフレイナをぎゅっと抱きしめる。
「そんなこと……な、い……うわーん!」
 ルニミスに抱きしめられたフレイナは、その胸で泣き出した。
 こうして百五十年に及ぶ女神の家出は終わった。


最終更新 2016/11/13 21:07:44




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