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2016年7月3日の日記 
HDDと91。 [小説]
 去年買ったパソコンですが、テレビチューナ付きなんですよ。
 一応チューナ二台つけてダブルチューナにしているのですが、そのためにWindows8.1のままにしてあるのですが。
 これにテレビ録画用に外付けHDDを付けているのです、3GBのを二つ。
 で、そのパソコンのチューナは録画の精度を変更できるので、一年録画しても1TBくらいなんですよね。
 今調べたら、2015年2月から録画してて
 ですから、いまだにHDDは一つしか使ってないのですが、その使ってない方が、なんか壊れました。
 まあ、しばらく使わないのですが、もう一つが埋まったらどうしよう、と考えていたのですが、私にはこの前かって余っている内蔵HDDがあります。
 あれを外付けにすればいいと気づきました。
 ので、実行するとしましょう。
 ただ、内蔵できるならしたいですね、この中、現段階でHDD三台積んでますが。


 さて、91を書き進めている最中ですが、月が変わったので、87にいったん戻っています。
 この辺りが戻る直前に書いた部分ですかね。
 この部分は、もっと掛け合いに変える必要もありますので後で大幅に変えます。

 早朝の畑。
 そっと見ると、数頭の巨大な鉄の塊が、作物を口にしている。
 ……え? マジで鉄なの?
 あれから色々考えて、さすがに自然界に金属の生き物はいないだろうと考え、「鉄イノシシ」という名称はあまりに体が硬いからつけられた名前だと納得した。
 が、朝日がもうすぐ昇る薄暗い畑、ぶーぶーと若干金属っぽい鳴き声を出して作物を漁っているのは、どう見ても光を反射して輝く鉄の塊だった。
 ……あれ、どう倒せばいいんだ?
 少なくとも普通の剣じゃ無理だろ。
「さあ、ラメルースン先生、出番ですよ?」
「先生とかつけて、気持ちわる〜い。なに〜?」
「あれを倒すのが俺たちの任務だからさ」
「そう、頑張って〜?」
 ラメルースンにずれは一ミリもない。
 金属の生物を相手にしても、いつも通りやる気はない。
「いや、お前がいないと無理だから!」
「知らない。はあ……」
 気だるげにため息を吐くラメルースン。
「で、でも、この前やる気になってくれたよな? 今回もちょっとやる気になってくれないかな?」
「でも、だるいし〜」
 だるいとか面倒とかいう割に、俺が剣を持っていれば律儀についてくるし、眠そうでも寝ることはない。
 ちなみに出てくる前、一応アヤカも来るかと思って呼びに行ったら出て来なかった。
 こんな早朝に留守ってことはないだろうから、熟睡してるんだろう、朝の弱い女の子は多いからな。
 ま、今回は俺だけでやることになってるから一人でいいだろう。
 本当は怪我をしたときにヒールして欲しかったんだが、無理なら仕方がない。
「なあ、何とか助けてくれないか? 今の状況って、あいつらに見つかったら俺、集中攻撃を受けて死ぬかもしれないんだけど」
「じゃあ、見つからないようにすれば〜?」
「頼むって! そこを何とか!」
 中学生の女の子に頭を下げるのは屈辱的だが、俺は土下座してもいいレベルで頼んだ。
 ちなみに小学生の女の子なら足をなめてもいい。
 俺にとって年が低いほど屈辱感はないからな。
「だから〜面倒だって言ってるのに〜。ふぁ〜……」
 心の底から面倒そうに、ラメルースンが答える。
 なんでこの子、こんなにやる気ないんだろうな?
 いや、それは前にも聞いたか、この精霊は量産型全員の記憶を持ってて、だからどんどんやる気が削がれて行ってるんだっけ。
 エロいのには厳しいし、戦ってくれないからやる気もない。
 ……じゃあ、この前はどうしてやる気になったんだろうな?
 思い出してみるか、前は確か、グリズリーに襲われてて、必死に頼んだらいきなりやる気がでたんだっけ?
「あ〜、一頭が気づいちゃったね〜?」
「……え?」
 ラメルースンが言うので見ると、一頭がこちらを見て警戒しているのが分かる。
 ヤバい……いや、落ち着け、確かイノシシは繊細で気の弱い動物だ。
 逃げることはあっても襲って来ることは──。
 いや! 確か、カタサさん、襲われて怪我した人がいるって言ってた!
 俺の常識の中のイノシシとは違うんだ!
 俺に気づいた鉄イノシシは、警戒の唸り声をあげる。
 ……これ、走って逃げたら追いかけてくるよな?
 そして、あの巨体が走ってきたら、クルマにひかれるのと大差ない。
 この前トラ転したばかりなのに今度はイノ転かよ!
「ラメルースン! 何とかしてくださいっ! お願いします!」
「何度も言うの疲れる〜」
 この、可愛くなかったら鼻と口の間の部分を拳で殴ってやりたいくらいの、うっとおしさを纏ってのラメルースンの返事。
 くそっ、あのときはどうしてやる気を出したんだ?
 確か、俺はもう死んだと諦めてて、潔く死のうとして……ラメルースンに何か言った?
 ……思い出せない、あれ? なんか、格好いいこと言った気がする。
 えーっと、確か……。

「さようなら、俺の可愛い愛剣。次の人生でも共に歩めることを願ってるぜ?」

 そう! こんなくっさいセリフを言ったんだ!
 あのくっさいセリフ時代がどうこうってわけじゃないだろうけど、あの言葉の中の何かに、ラメルースンをやる気にさせる呪文みたいなものが入ってたんだ。
 だとしたら早速──。
「さようなら、俺の可愛い愛剣。次の人生でも共に歩めることを願ってるぜ?」
 メカニズムの分かった俺は、おそらくそのくっさいセリフをドヤ顔で言ったことだろう。
「………………」
 ラメルースンはやる気が出たとき、確か、目を見開いた。
 が、今はどちらかというと、目を細めてる。
「あ……れ……?」
 どうして、やる気でないの?
 君のやる気スイッチはそこじゃないの?
「はぁ……」
 ため息を吐かれた。
 その間にさっきの鉄イノシシは、警戒しながら仲間に俺たちの存在を知らせている。
 まずいな、一斉に飛びかかって来られるとさすがに命の危険どころじゃなく、死体すら残らないぞ?
「同じセリフでやる気になる女の子って、いないよね〜?」
 いや、なに言ってるの?
 その、呪文って毎回変わるってこと?
 いやいやいや! ヤバいって!
 七匹くらいいる鉄イノシシのほとんどがこっちを見て警戒の唸り声あげてるし!
「え? 呪文って毎回変わるの? どういうシステムになってるの!?」
「呪文って何〜? システムとか面倒なこと言われても分かんない」
 俺は徐々に鉄イノシシから後退して、逃げられそうな塀や木を探すが、明らかに追突されたら一瞬で破壊されそうな小さな木と、ボロい小屋くらいしかなかった。
 あれからダッシュで逃げるのは至難の業だな。
 何とかして、ラメルースンにやる気を出してもらわないと……!
 どうすればいい? 呪文は通用しない。
 やる気を出させる方法は、他にないのか……?
 ……そう言えばさっき、ラメルースンは「同じセリフでやる気になる女の子って、いないよね〜?」って言ったよな。
 あれを言葉のまま取るとすると、あの言葉は呪文じゃなくあのくっさいセリフ自体でラメルースンのやる気が出たってことにならないか?
 となるともしかして、俺がくっさいセリフを吐けば、やる気出してくれるのか?
 いや、でも……もし違った時、俺の精神的ダメージが大き過ぎる!
 言いたかったわけでもないのに、くっさいセリフを言って、呆れた目で見られたら、もしここで助かっても自殺したくなるくらい恥ずかしい。
「なんか、囲まれてるね〜」
 俺が考え事に浸っていると、いつの間にか、鉄イノシシたちは、俺たちの周囲を取り囲んでいた。
 突進してくるだけしか能のないイノシシが取り囲んでるって、こいつら俺の知ってるイノシシより頭いいじゃないか!
 落ち着け! ラメルースンさえやる気になってくれればどうにかなるんだ!
 こうなったらもうなりふり構ってられない!
「ラメルースン、戦ってるお前が、世界で一番素敵だと思う。そして、誰よりも美しいと思う。それを世界のだれもが否定しても、俺だけは絶対にそう思っている!」
 俺が、普段なら絶対に言わないようなセリフを噛まずに言うと、ラメルースンの目が見開かれるのが分かる。
「ラメ……ルースン……?」
 ふらり、と、俺の前に出るラメルースン。
「……やるき」
「え?」
「やるき、出たぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「うわぁぁっ!?」
 ラメルースンの身体から、真っ赤な炎があふれ出て、それは俺を巻き込みそうになりながらも爆発的に拡大した。
「業火の楽園(フレイミンヘヴン)!」
 そして、頭上で七つに分割され、それぞれ、鉄イノシシたちにぶつかっていく。
 鉄イノシシたちは悲鳴を上げて転がる。
 ……そして、起き上がる。
「お、おい、ラメルースン?」
 真っ赤に熱せられた鉄の塊となった鉄イノシシは、それでも生きていて、俺たちに、今度は敵意むき出しになっていた。
 ヤバい、熱せられただけじゃ死なないぞこいつら?
 もう自然生物じゃないな!
「絶氷の地獄(ヘルザアイス)!」
 そう思っていたら、今度はラメルースンが凍てつくような白い空気を放つ。
 それらは鉄イノシシそれぞれを覆うと、真っ赤だった鉄イノシシが一瞬で真っ白になり、そして──。

 ミシ、ミシミシッ、パァァァン!

 鉄イノシシは、砕け散った。
 辺りには、白い凍った空気と、血のように鉄臭い匂いが漂うだけだ。
「やっ……た、のか?」
 俺が口に出しても、砕けちったイノシシ達は答えてくれない。
「疲れた……帰りはおんぶして」
 答えてくれそうな子は、既に自分の戦闘なんてどうでもよく、俺の背中に絡みついてくる。
 ふふふ、可愛い子……だ……。
 ……何だ? この、ラメルースンに押し付けられた背中に当たる、柔らかいものは?
 これは、もしかして……あかんやつか?
「ちょ、ちょっとラメルースン、こっち向い……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 俺の背中に背おられようとしていたラメルースンを一旦下して前を向かせると、そこには、(俺の)適齢期を超越した、ただの女が立っていた。
 推定年齢は十六か七くらい、アヤカよりもう年上だ。
 胸もあの子より大きいし、身長は同じか少し高いくらいか?
 銀色のくせ毛もダークレッドの瞳もそのままなんだが、そんなこの世のものとは思えない見た目とは違い、高校生の女がけだるげにだらけてても、そんなのよくいるし、多分、俺の一番嫌いな人種だし。
 俺みたいな奴を心の中で馬鹿にしてそうで。
「……どうしてこんなことに……」
 俺は、泣いた。
 涙が枯れるまで、泣いた。
 俺がこの世界に来て得られた唯一の希望が打ち砕かれた。
 もう、これは幼女ではない。
 年下の女の子でもない。
 同級生の女の子だ。
 多分俺を陰で馬鹿にして笑っている、あいつらと同じだ。
 まあ全て俺の妄想だけど、絶対あいつらは馬鹿にしてたし、ラメルースンだって馬鹿にしてるに違いない。
「なんだか分かんないけど、帰ろう? 寝たい」
 なんだか、口調も舌足らずな部分が解消されてて、つらい。
 お前なんてもうただのだらけた女だぞ?
 女なんてもう陰毛生えた時点で終了なんだぞ?
 ……まあ、背負って帰ってはやるけどさ。
 胸は嫌いじゃない。
 ……嫌いだけど嫌いじゃない。
 悔しいけど、押し付けられる胸は嫌いになれない。
 俺は、勝って任務を達成したにもかかわらず、負け戦のように頭を落として町に戻る。
「くにゃぁぁぁぁぁっ!」
 その、俺の目の前を、フルフェイス全裸が走り抜けていった。
 一瞬過ぎて今度も見逃した。
 っていうか、朝からいないと思ってたら、俺が命がけで戦ってる時にこんなことしてたのかよ?
 よし、これはさすがに説教だ!


最終更新 2016/07/03 22:53:15




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